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感想・レビュー・書評
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現在の日本の経済の問題点について幅広く論評されていて参考になります。ただし、比較的中立な立場からの解説なのでインパクトはあまりないし、解決への処方箋、にはなっていないように感じました。
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ちきりん氏推奨図書。グローバル化、アベノミクス、エネルギー政策、労働市場、少子高齢化、地方再生、教育改革と多彩だが平易な語り口で、さっくりと大局的な視点を与えてくれる。
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「世の中の問題の99%はお金で解決出来る」こんな事を言われたら、恐らく誰でも不快な気分になるだろう。
僕もフレッシュな新入社員のころは、そんな訳がない!と息巻いていたが、今では95%ぐらいはそうかもなって思う。
ISの問題だって、原発の問題だって、ビジネスの問題だって、詰まるところはかなりの部分がお金(経済)の問題だ。お金というリソース制約を無視してしまえば、何だってできる。
そもそも、世の中にある資源は全て有限だ。酸素だって有限だ。
そうであるならば、有限な資源を最大限有効に活用するためには何らかのロジックが必要に違いない。
そして、そのロジックこそが「経済学」であるって話。 -
2015.12.27-28
ちきりんさん@InsideCHIKIRINのお勧めで読んでみた。日本の将来を明るくするには革命的な変化が必要だと説いてゐる。
政治家や官僚の人達が読んだら、大多数が、面白い意見だが現実性に乏しいと言ふだらうと思ふ。しかし、「現実的な方策」でこの国が抱へる少子高齢化の問題をどう解決するのか、といふ問ひに答へられる人は多くないだらう。
フェルドマン博士の説に全て同意する訳ではない。年功序列や終身雇用が労働力の非効率な利用や正規と非正規の間の不公平を生んでゐることは間違ひないが、労働市場の自由化を無闇に進めれば、当面は失業者や非正規雇用ばかりが増えるだらう。実力さへあれば他に雇ふ企業があるし、待遇の悪い企業には誰も働き手が来なくなるだらうが、それまでに生じる混乱は大きいだらう。そもそも、労使間では交渉力に差があるからこそ労働組合といふ制度がある。これからは働き手が足らなくなるので労働者の交渉力が高まることは確かだし、情報化が市場の流動性向上に役立つだらうが、自由にすれば良いといふ訳ではないと思ふ。教育費を安くして貧しい家庭の子女が不利にならない仕組みや、ハンディを持つ人達の雇用に関するルールなど、社会的な正義を守るための制度との組合せが欠かせない。
高齢者の医療費についても、色々な意見があるだらう。しかし、この点については、快復の見込みが全く無く死を待つだけの老人に多額の医療費を出すよりも、未来を担ふ若者を増やし育てることに国の資金を回すべきだといふ意見には心から賛同する。
いづれも議論の多い問題だ。制度を変へれば得をする人と損をする人が出る。しかし従来の制度が時代の変化に合はなくなつてゐることは疑ひない。これからの国のあるべき姿はどのやうなものなのか、国民的な議論が求められてゐる。「美しい国」とか「世界から尊敬される国」とかいつた抽象的な掛け声ではなく、若者が未来に希望を持てる国にするため、誰が何を我慢するのかを決めるべき時なのだ。
そのためにも多くの人に読んで欲しい本だ。 -
【誰でもわかる日本経済の問題点を徹底的に分析!】テレビ東京WBSの人気コメンテーターとしても有名な著者が誰もが知りたい疑問に答え、日本経済復活のポイントをやさしく解説する。