コーヒーが冷めないうちに [Kindle]

著者 :
  • サンマーク出版
3.62
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本棚登録 : 821
感想 : 78
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感想・レビュー・書評

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  • 正直にいうと、お涙頂戴的な小説は(読者を泣かせよう泣かせようとする小説は)どうも苦手で、この本もずっと先延ばしにしてきました。

    ただ、実際に読んでみると、タイムトラベルというSF的な要素と特殊なタイムトラベルのルールによって、とても軽くなっていることに驚いたし、とても読みやすく思えました。

    感動がじんわり心に染み渡る感じがとても心地よかったです。

  • ずっと気になっていた本。不思議な喫茶店で繰り広げられる人間模様が描かれている。人と人とがゆるく繋がり、何となく支え合っている。
    現実は変わらなくても心が変わる。心が変われば、行動できる。しみじみとほんわか温まる物語。喫茶店でコーヒーが飲みたくなります。

  • 愛する人との過酷なまでの様々な別れといったテーマを、短時間・条件付きの「貴重な時間をとりもどすタイムトラベル」で綴っていく。軽妙なタッチで語られていて救われるが私は第2話と3話が身につまされた。感謝の気持ちを伝えていくことはその人の人生を認めてあげることにもつながるのだろうなということと、これからの選択で「未来は変えられる」こともテーマなのかなと思いました。

  • 旅先の空き時間にふと手に取って、そのまま買ってしまった。メモ帳と筆記具も。そうやって買ってしまったA5サイズのノートとペンが、我が家には一抱えもある。

    「泣ける」ことを売りにするっていうのはいかがなものか。
    ちょっとご都合主義の設定なんじゃないの?
    つい、意地悪なことを言いたくなってしまう。
    せせら笑うような気持ちを持ちながら、それでもつい、立ち読みの続きが欲しくて買ってしまって、そしてシッカリ泣かされてしまった。
    心地よい敗北感!

    心の少しだけ奥をキュッと押してくれる。
    超深いところ、ではないのがいい。

    旅先で出た腰痛をなだめたくて駆け込んだ手軽なほぐし処みたいに、
    深く悩まずグングン読んで、ここぞというところでじわっと泣いて、明るい読了感で閉じることができるのがイイ。

    泣くことで元気になれる一冊。
    泣けることに気付けるだけでも、身体に良いような気がする。

  • 本屋大賞2017ノミネート作品
    2018年 年間ベストセラー文芸書・単行本フィクションカテゴリ3位

    「4回泣けます」と帯に書かれた期待してしまう文字。なので読み初めはこんなもんか、泣けはしないなと少しがっかり。
    と思ったら、話は関連していて、3、4話は泣けました。でも死別の話が入るのはずるい。
    気軽に読める、喫茶店が舞台のお洒落な小説と思っていたので、まさか2人も亡くなるとは。
    実際にはこんな都合の良い喫茶店はないのだし、私たちは小説のように過去に戻って相手の真意を知って心を入れ変えるチャンスはないのだから、後悔のないよう相手に向き合うように生きなくては、という教訓を得ました。

  •  時間を往来する話はいくらでもある。この話もその一つだ。ただ、こういう話の多くは過去もしくは未来の世界に積極的に関わって様々な問題を起こすか、もしくはそれをどのように精算していくかの話になるものだ。この小説ではあえて様々な条件を設定することで、タイムトラベラーの持つ矛盾点を解決してしまおうとする。
     過去に戻れるが現在は変えられない。戻っても座席から立ち上がることはできず、積極的に関わることができないというのである。これは言ってみればアルバムをみるのと同じであり、二度と取り返すことができない過去を痛感することである。その後悔と焦燥と後味の悪さと、そして感動と、そういったものを詰め込んだ作品になっている。
     発想は面白く、読んでいて惹きつけられるストーリーである。欲を言えばタイムトラベルの様々な制約を小出しに出して行ったほうが良かったのではないか。最初の方でこの小説のルールはこうだとあるのは理解はし易いが、話の面白みは半減するような気がした。そんなことを言う私にこのような作品を書く才はないが。
     姉妹作もあるらしくいずれは読んでみたいと思っている。

  • 時間を移動できるという不思議な喫茶店。やたらめんどくさいルールなど、少し無理な設定?な感じがあるけれど、息抜きにサクッと読めた。結局のところ相手の気持ちを予測して勝手に不機嫌になったりすることって、なんの徳でも無いなと思った。過去に戻れなくても、未来に行けなくても、全て自分の捉え方次第でいつからでも人生は好転する!というメッセージで、読了感が爽やかな一冊。

  • 普通かなー。いい話だけど、繰り返されるルール説明が、なんかくどい感じ。

  • なんといってもコーヒーが冷めない間だけ過去に戻れる、という設定が秀逸。印象に残っている本。

  • 第四話『親子』がお気に入り。
    喫茶店の情景を細かく想像できる描写がとてもよかった。

著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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