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- / ISBN・EAN: 4532318410333
感想・レビュー・書評
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戦争によって引き裂かれた夫婦の愛の真理を問うサスペンス!!
見どころ
ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『東ベルリンから来た女』の監督&主演トリオが再結集。劇中歌、クルト・ヴァイルの名曲「スピーク・ロウ」が、心に深い余韻を刻む。
ストーリー
1945年6月、ベルリン。第2次世界大戦でのドイツ降伏の翌月、元歌手でユダヤ人のネリーは、顔に大怪我を負いながらも強制収容所から生還する。ピアニストだった最愛の夫・ジョニーを見つけだしたい彼女は、顔の再建手術で元の顔に戻すことに固執するが…。
ここがポイント!
監督・脚本はクリスティアン・ペッツォルト。主演はニーナ・ホスとロナルト・ツェアフェルト。
ユダヤ人の歌手である主人公ネリーがホロコーストを受けて顔にも大怪我を負い整形手術をして元の顔に戻ろうとしたのだけれども、元通りの顔にはならず別人になってしまう。
自身の旦那を発見するも、変わってしまった顔に妻と気づいてもらえず、妻のフリをして財産の受け取りを提案される。つらい提案ながらも愛する亭主のためにその提案に乗り、自分のフリをすることに協力する。生きて、故郷に帰ってきた自分を演じ、友人達の前でスピークロウを歌い始めたところで亭主は自分の過ちに気づきネリーは伝えたい歌詞の部分で歌をやめ、去ってしまう。
【Speak Low】
Speak low. When you speak, love
Our summer day
Withers away
Too soon, too soon
Speak low. When you speak, love
Our moment is swift
Like ships adrift
We're swept apart too soon
Speak low, darling, speak low
Love is a spark
Lost in the dark
Too soon, too soon
I feel wherever I go
That tomorrow is near
Tomorrow is here
And always too soon
Time is so old
And love so brief
Love is pure gold
And time a thief
We're late, darling, we're late
The curtain descends
Everything ends
Too soon, too soon
I wait, darling, I wait
Will you speak low to me
Speak love to me
And soon?
<和訳>
そっとささやいて
私たちの夏は枯れてしまう
すぐに、本当にすぐに
そっとささやいて
私たちの時間は束の間
まるで難破船のように
押し流され、すぐに別れ別れになる
声をひそめて、ダーリン
恋は火花闇へと消える
すぐに、本当にすぐに
たとえ私がどこに行ったとしても感じるの
明日がすぐ近くにあることを
明日はここにある
そしてそれはいつもすぐ
時はすぐに過ぎ去りは
愛は短い 愛は純金 時は泥棒
遅すぎるの、私たちは遅すぎるの
幕はおりて
すべてが終わってしまう
すぐに、本当にすぐに
私は待っているのよ
あなたが私に声をひそめて
愛をささやいてくれるのを
だから、いますぐにささやいて詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「映画天国」にて。なんと異様な話なんでしょう。強制収容所から戻ってきた妻に夫は気づかない上に、財産目当ての夫は、女に妻になりすますよう唆す。なんで夫が彼女に気づかないのか。彼女がなぜ真実を話さずに言いなりになるのか。「なんでやねん」と何度もツッコミを入れたくなります。
ラストで彼女の歌声を聴いて真相に気づいた夫の呆然とした顔を見て、こちらも呆然としてしまいました。彼女は夫を騙して楽しみたかったのではないかという仮説はどうでしょうか。 -
最後のspeak lowすごく良かった。
全体的にはえっ?そんなアホなって話。 -
顔がいくら変わっていても、声や雰囲気でわかりそうなものだが・・
そこっさえクリアーできれば、夫と再会した妻が身分を明かさなかったのは、自分が裏切られたのかどうかを確かめるため、その後つかの間の夫婦生活にもささやかな幸せを見出すが、離婚届の存在を知り、夫が自分をナチスに売ったことが分かって、ラストシーンへと・・ -
スピークロウが始まって作品を補完していった
いや、作品ではなく私を補完していった -
セリフが少なく、表情や仕草で緊張感が伝わる。
収容所で受けた傷がもとで顔が変わってしまったネリーは、夫に再会できたことで最初は喜んでいるように見える。しかし夫は妻だとは気づかなない。夫は自分をナチに売った裏切り者だと、友人からは聞かされている。それでも最初は浮かれているように見えるし、自分がもらうはずだった遺産を山分けしようという夫の計画にも協力してしまう。しかし、夫が自分とは離婚をしていたこと、夫が自分を売ったことを自ら認識したことによって、態度が変わったように見える。言葉には出さないのであくまで雰囲気から。
ラストシーンの歌のシーンがとてもよい。夫の家族の前で「Speak Low」を弾いてくれと言う。夫のピアノに合わせて歌う。次第に当時の歌い方を取り戻し、夫は目の前にいるのが妻であることにようやく気づく。今思い出していても鳥肌が立ってくるシーン。 -
2016/5/29 そんなに長くない映画だったけど…
なかなか女性の気持ちに寄り添った映画だったと思う。ナチス問題の中 収容所に入れらて苦しみの中 夫にまで裏切らて 酷い仕打ちの中 真実を知ろうとするネリー悲しいけど…ラストの歌を唄う事で 自分を相手に見せつけたところが良かった