激安食品が30年後の日本を滅ぼす! [Kindle]

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  • 辰巳出版
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感想・レビュー・書評

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  • 思ったより全然普通の本でした。

    激安食品を作るために、例えばハムでは、肉以外に安価な植物性たんぱく、乳たんぱく、卵たまごたんぱくを足して、元の肉よりはるかに多くの製品ハムを製造しているとか書いてあったので、添加物は危険だと言い出すかと思ったら、美味しくないというほうに展開したので好感度が上がりました。
    #添加物には使用基準が定められていて、その用法を守っている限り安全性に問題はない

    激安食品を提供するために、「原材料の削減」、「偽装」、「人件費の削減」、「施設整備費の削減」を挙げて批判していますが、「偽装」以外は経営努力であり、安いものを追い求め、品質や地元商店街の衰退はそれでいいと思消費者が居る限り、事業者を責めるのは筋違いというものでしょう。

    それでも、出来ればよい事業者は応援したいもの。
    私の行きつけのスーパー、オーケーストアでは、魚を丸のまま仕入れてさばいているので、魚のアラなどもでてきます。
    パンもその場で焼いているし、お弁当も作ってると思われます。
    人件費がたくさん掛かりますが、この本の基準に拠れば、いいスーパーですね。
    値段もお安いので、相当企業努力してるんだろうなぁ。。。

    お安いものの中にもいろいろあるので、自分の考え方にマッチしたものを見る目を養いたいと思います。

  • 私は、特に最近不満なのが、餃子の専門店を謳いながらも平気で冷凍餃子を焼くお店が多いことです。これは、食べに来た人に対する裏切り行為であると共に詐欺的な商法だと思っています。現在は、このようなプライドがない営利目的の店舗がほぼ大半を占めている。原因は、消費者がはっきりとものを言わないのも、このことを助長している。そのなかで、著者は私たちに代わり食産業に問題を突きつけています。内容は、食産業や激安食品にに関して、私たちが、曖昧にしていることやなんとなく感じていることを明確にまとめ回答しています。この書籍を読むと大手フランチャイズ店やスーパーの内幕がよーく理解できます。特に悪質な業者に対して、消費者が警戒すべき内容を分かりやすくまとめています。特に評価すべきは、私たちの身近なフランチャイズ店の名称を明らかにし、食の専門家の目線で問題点を明らかにしている点です。また、問題点から食の安全性・美味しさから日本の未来までが解かれています。この書籍が出版されたと同時にタイミングよく、最近マスコミをにぎわす食品に関する品質関連の問題や事件が起こっています。こういった問題の根本を事件の関係者のみに限定せず、食の業界そのものの問題として広く論議すべきだと感じます。消費者の食の“安全性”への関心は、ますます高まっております。当然、世間の食品関連業者対する”安全性”の要求はさらに厳しくなってきている事は言うまでもありません。私たちの住む日本の事情や競争力強化のために原材料の多くは、現在輸入食品に頼らざるをえません。輸入食品は価格が安く、安定的な供給ができるというメリットの反面、国産に比べ、安全性や品質の面でやや劣ると言われているようです。逆に国産食品は、安心・安全、品質の良さ、おいしさ、ブランド価値というメリットの反面、価格の高さ、安定供給力というところが問題になっています。このような、様々な原料を国内外から調達せざるを得ない状況の中、消費者は何を選択するのが最善なのか確りと考えなければならない。価格差が広がり、現実的には、激安食品を購入せざるえない所得層の人もいます。しかし、本来のもには感覚的ですが妥当であろう価格があると思っています。それを遥かに下回る価格で売られているのあれば、なぜ、その価格で提供できるのか疑ってみる必要があると感じます。その商品には、企業努力ではないからくりがあるはずだからです。激安といった目先の損得に惑わせれず、原材料の調達から商品になるポプロセスや食の安全性をも含めた価値をみいだし、次世代に繋がる商品を選択することを強く望みます。所得的にそういった商品を選択できない状況にあっても、その中でも最善なものを選択出来るように考え行動することからはじめれば、きっと食に関する日本の未来が良い方向に向かうと確信しています。

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著者プロフィール

食品安全教育研究所代表
1958年北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品製造工場、配送流通センター、スーパーマーケットなど多数。著書に『「ビジュアル図解」食品工場の品質管理』(同文舘出版)、『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』(アスキー出版)など。

「2019年 『最新版 食品工場のしくみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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