- Amazon.co.jp ・電子書籍 (419ページ)
感想・レビュー・書評
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裁判員制度で扱われる児童虐待と、自分の子供との子育てを絡めて書いている本で、なんだか共感できる部分はおおかった。子育てって本当にほとんどの時間を取られるから大変なのがよーく分かる本で。世の中の旦那さん絶対読んでほしいなぁ。
あーちゃん結構ないやいやがひどいなぁ。そして旦那さん結構イクメンに見えるのにそれでも不満な奥さん。お風呂入れたり寝かしつけたりイクメン過ぎて羨ましいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者の知識や洞察?そういうのもすごいけど、それを書き表すっていうその技術が、もう人間と思えないくらいすごい、リアル。
被告のありようを、りさこは自分に重ねていく、それがこの本の進め方になっているんだけど、今度はそれを、私がつい自分に重ねてしまって。
読んでいて苦しくなりつつ、どうなるのかなぁという思いを支えに、何とか最後まで読んだ。最後、りさこなりに結論が出て、私も共感できたし、それがわたしの、もやもやも解消してくれるものだったから、最後まで読んで良かったと思った。
これを男の人が読んだら、どう思うかな。仮想の世界と思うかな。理解しがたいと思うかな。でも、私は、この本の内容は的外れじゃないと思う。 -
リアル
母の心情が本当にリアル。
でも、夫に対する対応は疑問だった。 -
おもしろかた
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同じような状況の被告に対して主人公の気持ちが重なりグラグラしていく所に感情移入してしまう。子供に対してのどこか冷めた目線とか、黒い胸の内を描き方がさすが角田光代だと思う。
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裁判員裁判に参加してみてえと思った。あと子育てはまじで大変。最後それで!?とはなった。
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とても面白かったと思うのだけど、
数年前に読んでて、全然覚えてない。。。 -
・裁判員制度の補欠裁判員に選ばれた主婦の物語
・育児ノイローゼになった女性が我が子を殺してしまった事件の担当となるが、主人公も同年代の子供がおり加害者の女性と自分を重ねながら自分自身の自己理解を深めていく
・夫婦や義理家族との関係等も変に勘ぐった解釈をしてしまえば全てが自己否定に陥っていく
受け止められないのは、自分自身に自己肯定感や自己効力感がない場合に陥り易いことが物語から感じられる
・主人公は裁判の判決が出る直前にほぼ壊れた状態であったが、何とか最後に加害者と自身を切り離し、自分自身に起こっていたことを俯瞰し率直に受け入れる事で自分自身の人生を歩み出す -
だいぶ読み飛ばした。
モラハラ旦那に奥さんが気づいてよかった。そこだけが良い所。
文香はもう3歳なのに、わがまま過ぎない?一人っ子ってそんな感じ?泣かせたまま放置したらあきらめるんじゃないの?と思ってしまった。
どうして10か月もおなかの中にいるのにこんなに未完成で生まれて来ちゃうのだろう?
女性特有の共感性の高さで裁判員裁判の内容を自分に当てはめちゃうという発想はありえそうとは思った。 -
初めての子育てに不安だった頃を思い出した。
どーしようもない孤独感。旦那、姑、母親、友達、保健師さんからの何気ない一言で傷ついてへこむ。
自分が皆んなから馬鹿にされてるんじゃないかという不安や劣等感や、、
子供の泣き声や癇癪にこっちが頭おかしくなりそうな感じや苛々が爆発する寸前の気分。
文章でよく表現できるなと感心した。
今じゃ旦那に言い返せるし、悪口なんて言わせとけって思える程になった。
母は強し。 -
登場人物みんな、特筆すべき変なところはないし、実際にいそうな人ばかり。近くにいる人だけが「あれ、なんかこの人、、」って違和感があって、それが蓄積されていく。でもその違和感を他人に伝えるのはすごく難しくて、理解されることはほぼない。その「あれ?」を、さらりと、生々しく伝えきるのが角田先生。例えば、旦那の「補欠なんだから無理しなくていい」っていう思いやり。優しいけど優しくない。でもきっと人に言わせると「いい旦那さんだね」。こういうことは、日常にもたくさんある。
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負のスパイラル
抜け出してしまえば何てことはないのに
その渦の中にいるときは
自分を思って発せられた言葉も、行為も、贈り物も
すべてが悪意に満ちた攻撃に思える
自分はダメだと、普通のこともできない人並み以下の人間だと
見下されている気がする
理沙子は専業主婦。2才の娘の母親。
ある日裁判員の候補になったという通知が届く
選出されたその日から始まる公判
扱う事件は乳幼児虐待死
被告は生後8ヶ月になる娘を浴槽に落とし死亡させた30代の主婦
検察側と弁護側はそれぞれ正反対のストーリーを組み立てる
夫とその母親、友人、実母、そして被告本人
理沙子と同年代の被告の日常が重なる
理沙子の目を通して見た裁判、現実の生活と過去
被告に感情移入するあまり、日に日に疲弊していく理沙子に
自分も感情移入してしまうほど情景描写が秀逸でした
普通って何だろう?
理沙子は「普通」であることに囚われる。
子育てのことも、裁判員のことも、
「普通」のことができていないのではと不安になる。
自分は他人より劣っているのか?
おかしいのではないか?
裁判員
まだ私自身も周りの人にも選ばれたという話は聞いたことがないけれど
もし自分が選ばれたら、自分が感じたものが他人と違ったら
その場で自分は違うと言えるだろうか?
他人の意見に影響されて、気持ちが揺れ、迷い、悩む
その中でそれぞれの「普通」を探っていくしかないのかもしれない -
幼い子供を殺した母親の裁判をテーマにしたサスペンス。
弱いもの、拙いものを守っていくことが愛情なのか? -
#audiobook
補欠裁判員になって担当した幼児虐待事件をきっかけ己の立っている位置に気づいていく女性。
子育て中の気持ちの不安定さを緻密に書き上げていて辛い。さらに、静かに妻の自信を奪っていくモラハラ的な夫の描写も辛い。リアルであるが故に何度も途中で読めなくなった。 -
夢中になって読み進めた。私も子供がいるので、自分と少し重ね合わせながら、里沙子と水穂の気持ちが分かるところがあるなと思った。
文章の重なり合いが素晴らしくて、さすが角田先生だなと思った。 -
真の自分に向き合うたたみかけるようなラストの緊迫感と迫力。『対岸の彼女』を思い出した。
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裁判員という、身近でない出来事が主体のテーマだけれど、子どものいる母なら共感せざるを、得ない部分が多数あると思う。時々息苦しくなりながら読んだ。子育てにおける、懸命に向き合ってもなかなか理解されない我慢や忍耐という努力。誰からの評価もないどころか、そんなことは君には能力以上のことで無理なのだ、と詰め寄り蔑む夫の言葉。心がいつのまにか疲弊し、体は疲労困憊。それなのにゆっくり休んだり、眠ったり、心を落ち着ける時間も場所もない。主人公が被疑者に共感し、読み手が主人公に共感していく。
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リアルだな、心に迫ってくる。
「子育てする母親が抱えるもろくて、繊細で、ささいなことでも怯えてしまう心持ち」と、「人が無意識のうちに行使してしまう悪意」が裁判員裁判を通じて浮き彫りになる。
重くて暗いテーマだが、読後にイヤな気分にはならなかった。 -
なんだか無性に角田さんの作品が読みたくなって、気になっていたコレを読んだ。相変わらず、どんなホラーよりも怖かったです。
どこまでが取材に基づくもので、どこからが角田さんの想像なのだろう。角田さんの小説を読むたびに、ひとりの人間を描き込む描写力、それを支えているだろう想像力に圧倒される。小説の可能性ってほんと無限だなと思ってしまう。
読んでいるうちに、自分の中に封印していた記憶がずるずると引きずりだされて、胸が苦しくなるのも、いつものこと。主人公は、補充裁判員として、乳児虐待殺人事件の裁判に通う羽目になるのだが、加害者である母親の証言が、どこまでが本人の思い込み・被害妄想かわからなくて、それを真剣に考えれば考えるほど、自分と周囲の人々との関係性まで、だんだんわからなくなってきて、容赦なく自分のダメさ加減を突きつけられてしまう。で、このわからなさは、しまいには読者である私にも伝染し、自分の生活までグラグラに揺らいでいるような気がしてくるのだ。怖い怖い。←この感覚・三重構造は今までになく新しいと思った。
ただ、前回読んだ『笹の舟で…』は、主人公が私より年上だったため、自分の運命を呪われたような、恐ろしい予言を聞いてしまったような、とてつもないダメージを受けたけれど、これは、「幼児をもつ母親」というすでに通り過ぎてきた時代を描いているため、ダメージ自体は最小限で済んだ気がする。
というか、ダメージ受けるとわかっていながら、読まずにはいられないって、どんだけなの……。 -
1か月ぐらい前に読んだ角田さんの本ですが
なんか気持ちの整理がつかなくて、プログに書けませんでした。
角田さんらしい、繊細な女性の悩みを描写した作品ですが
どうも男にはこの辺の機微が分かりづらい。
子育てってこんなに難しく、悩み苦しむものなのか
読んでいても怖さこそあれ、共感は全然できませんでした。
ただ一番身近な自分の奥さんがここまで繊細な人じゃなくてよかった、というのが
率直な気持ち。
できれば周りの女性に読んでもらって感想を聞いてみたい作品ではあります。