- Amazon.co.jp ・電子書籍 (154ページ)
感想・レビュー・書評
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元警察官で警察大学校主任教授を勤めた著者だからこそ書けた『日本警察四大不祥事』についての1冊。
それぞれ『事案の概要』『市民の視点』『警察内部の視点』『総合的な視点』と順を追って書かれており、非常に分かりやすい内容になっています。
それぞれの事案を読んでいると、ミステリー小説を1冊書けちゃえそうなんですが、これら全部、実際にあったことなんですよね。
例えば『桶川事件』。
駅前路上で白昼堂々女子大生が刃物で刺された、その女子大生は『男に殺されるかもしれない』とずっと警察に助けを求めていた、という極めて衝撃的な事件で、報道された時のことを覚えている人も多いのではないでしょうか。
なぜこの事件は起きてしまったのか?
警察官たちはなぜ助けを求めてきた女子大生を見殺しにしてしまったのか?
当時の警察内部事情を紐解きながら、納得のいく解が得られます。
そして、そこから得られた教訓。
事実は小説より奇なり。
ミステリー小説ファン必読の1冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平成警察版「失敗の本質」
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Kindle Unlimitedで購入。
警察はそのミッションの特殊性と不祥事が発生したときの被害の甚大性から指弾されやすいものの、こと純粋に組織論ということで言えば、この本に書いてある組織腐敗はどの組織でも多かれ少なか発生しうるものかと思う。
また、職務を遂行するのに必要なのは「相手に対する共感力」というのも、地味ではあるものの的確に言い表されている。
そのほか、指揮官論、職業倫理などの観点から見ても、学ぶところが多い一冊。