- Amazon.co.jp ・電子書籍 (444ページ)
感想・レビュー・書評
-
映像の世紀を最近みていて、WWII関連でチャーチルに興味を持ったので手にとった。
著者は現イギリス首相のボリス・ジョンソン。首相になる前に書いた本らしい。
もともとジャーナリスト出身らしく、文章自体はうまい。
本自体は、チャーチルの様々側面について述べている。
今まで多くの批判を浴びている部分もあるからこそ、それらの批判を一つ一つピックアップして反論するスタイル。そのため幅広くチャーチルの面を知ることができる。
ただ、取り扱っているエピソードが多いため、ある程度イギリスをとりまく歴史・政治情勢に親しくないと、あまりピンとこないままページを捲ることにもなる。
ただ、チャーチルの人物像の概観は理解できた気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元英国首相の熱烈なファンである現英国首相によるファンブック…という表現が最も正しいのではないか。チャーチルという人物に関心をもったので、彼に関する本が読みたいと思って最初に手に取った本がこれだったのだが、いかにチャーチルが素晴らしい人物かが熱狂的に書かれている。筆致も軽快でおもしろいのだけど、チャーチルの大ファンではない私は途中で飽きてしまい、最後まで読みきれませんでした。
少なくともこの本からは、チャーチルに対する評価が英国内でも二分されている気配が読み取れる。だからこそ筆者はチャーチルを多面的に擁護しているのだろう。大胆で、勇気と胆力に満ち、エネルギー溢れる愛国者だったチャーチル。愛国者ゆえに敵も多かったし、変わり者としての評価もあったようだが、実際は人情ある慈愛満ちた人物だったと筆者は言う。筆者の大ファン度合いには途中から疲れてきたけれども、青年期や第一次世界大戦時には回り道・大失敗をしながらも、危機の宰相として信念を貫いたチャーチルの姿をなんとなく感じ取れた。
愛国者たるチャーチルの目から見た第二次世界大戦、読みたいな。 -
ウィンストン・チャーチルの伝記。チャーチルについては「世界大戦時のイギリスの偉い人」程度の認識しかなかったので、どんな人だったのか読んで初めて知った。すごいエネルギッシュなオッサンだった。
全体的に著者はチャーチルの大ファン。だいたいチャーチルのことを褒め称える。一般的にチャーチルが悪いとされている内容についても、実はそれほど悪くなかったんだよとばかりに弁解する。なんというか、塩野七生がカエサルのことについて書いているのと似ている。
したがってチャーチルの偉業を知るにはいい本だし、彼が「何をやったか」についてはこれで十分だろう。しかしその行動が歴史上において「どういう意味を持つか」については他の本も合わせて読んだほうがよさそうだ。