暗黒女子 (双葉文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 独特の構成が魅力的、似たような形式はあるにはあるのだけど、ミステリーとしての謎解き、言っていることがバラバラというのは、読者への牽引力が半端ない「何故」を生み出す。凄く魅力的であった。

  • ブクログのランキングで知って、読んでみました。面白くてとまらなくなり、ほとんど一気に読んでしまいました(^^;)。
    「闇鍋」は若いころ何度かやったことがあります。あの不思議な興奮と緊張感。女子高の文学サークルのメンバーがその「闇鍋」を食べながら、1人の女子生徒の死の真相と予想される犯人を小説にして、順番に朗読していきます。小説の内容には食い違いがあり、芥川龍之介の「藪の中」を思い出してしまいました。でもきちんと謎は回収されます。
    ラスト数ページはかなり衝撃的なものでした。食事をする前に読むのは、やめておいた方がいいかも知れません(^^;)。映画化と漫画化がされているみたいですので、そちらも見てみたいと思います。

  • 華やかな女子校の雰囲気もありながら、ドロドロした内容が面白かったです。個人的には誰が犯人ということよりも、いつみやメンバーの人達について興味があったので淡々と話が進んでいくのが少し物足りない感じもしました。

  • 全然本編の内容に関係ないんだけど、魂が肉体に宿るなんてことはなく、生きるというのはただ生理的なこと、という一文が効いた。
    無意識に人って死んでも魂あるしどっかでいつか会えるって思ってたけど、死んだらただ無になるってだけならめちゃくちゃ悲しい。
    小説は面白かったです。二谷さん、古賀さん、高岡さんというのちに追加でサロンに招かれた人たちへの描写がもっとあると嬉しかった、彼女らの中で何が巻き起こっていつみは恨みを買ってたのかはもう少し知りたかったな、と思った。

  • それぞれの女子生徒が事件の内容を小説として発表していくスタイル。ちょうど一話30分程度で読み切れるので電車内で読むのにちょうどよかった。一体誰が本当のことを言っているのか気になった。読み終えたあとに映画版も視聴。

  • たしかにめちゃくちゃ楽しく読んでラストにはどんでん返しがあり、果てに見えた光景は怖くて、いい感じによかった。昔なら避けてきたタイプでしたが、楽しめました。

  • 図書館にて。
    ブクログの怖い本をみんなで3冊ずつ上げる特集で、いろんな人が挙げていたので借りてみた。
    読みながらそういえば昔映画化されていたことを思い出したので、キャストを確認しながらイメージして読んでみた。
    結局何より怖いのは人間ということか。
    確かこの映画を最後に違う世界に行ってしまった女優さん、彼女の会心の演技を機会があったら見てみたいものだと思う。

  • 面白かった。映画は未見だがレビュー評価が高いのも頷ける。

    話の筋としては、女子高のカリスマ的な生徒が学園内で飛び降り自殺するところから始まる。その親友が催した夜会に招待されたサークル仲間たち。順番に発表される作文のテーマは死んだカリスマ生徒の死について。
    それぞれの作文は他生徒の闇を暴く内容になっていて、美しい友情のエピソードが他者視点だと利己的な欲望の追及に変わってしまう。

    誰もが自分に都合の悪い所を隠して話をするという、人間の習性をこれでもかと提示してくる。自分の見たくない部分を目の前にさらされている嫌な感じ。それにもかかわらずエンタメとしてクオリティーが高い。不快感が物語をドライブさせている絶妙なバランス感覚。

    それぞれの作文が他メンバーの嘘を暴くことになる構成も絶妙で、先が知りたくて一気に読んでしまった。事実は一つなのに、それを説明する人物のポジショントークで全く異なる意味付けになる恐ろしさ。キャラクターを考えればポジショントークであることも感づけるはずなのに気づけない。伏線回収も完璧で完全に騙された。

    いくつかの気になる点(常識的にそういう行動は取らないのではという箇所)もあるが、この女の園ワールドの世界観では「有り」なのだと思わせる筆力。

    映画の配役も絶妙なので、機会があれば観てみたい。

    著者の他作品も構成が絶妙なので、プロットが上手い人なのだろう。さらに読んでみたい。

  • お嬢様達の薄っぺらい、上っ面のお付き合いからの大暴露大会?イヤイヤ、実際には計算されその舞台へ乗せられた者同士さらにはそれを演出した者含めての牽制しあい。 最後の結末はうっすら気づいたが、その少し上を行ったラストに星4っっつ!

  • ラストですべてがひっくり返された。

    ひとりの女子生徒の死について、登場人物ひとりひとりが彼女が死んだ理由について推測しその内容を述べていくのだが、それらが矛盾していることはすぐにわかる。
    彼女らが述べることの何が正解で何が誤りなのか、私たち読者側も推理しながら読み進められる。
    しかし、最後の最後で予想だにしない結末に驚かされる。

    年頃の女子たちの未熟さというか汚さというか、そういうものを総括した”女の世界のややこしさ”がよくわかるのではないかと思う。

    女の世界は理論ではなく感覚で見なければ生き抜いていけない。
    そんな厳しい世界に触れてみることができる素晴らしい小説だと思った。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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