東洋経済オンラインの人気コラムニスト、ムーギー・キムによる仕事術の本。以下印象的な箇所のまとめ。
・一流のお店は食器の一つ一つがすさまじく清潔だし、テーブルやカウンターはもちろん、店内の隅々まできれい。基本を大切にする姿勢はどのような業界の一流にも共通している。
・仕事ができる人は、資料の構造が明確で、内容もシンプル。仕事ができない人は、自信がないのか厖大な資料を準備し、参加者全員に催眠術をかける。
・一流の人は「他の担当者よりも飛び切りいいものを作ろう」という意識が強い。できない人は、ええじゃないかええじゃないかと細かいミスを自ら許す。
・一流の人は一流のトーンで話す。落ち着いた声で、ゆっくりと自信満々に話す。
・情熱を持って相手に伝えたいことがあるかどうか。相手を動かそうと思ったら、自分自身プレゼン内容に情熱と霊感を持つ。
・一流の話手は自分の話に飽きない。何度も同じ話をできる。話すたび、前回よりうまく話せるように質を高めることにモチベーションを見出す。
・整理整頓能力と仕事の生産性は直結する。道に迷ったら、情報を整理して、最適な道をまた見つける。
・早起きエリートはお酒をまったくのまず、さっさと家に帰って十分睡眠をとる。
・他人の時間を大切にできるのは、自分の人生が充実していることの裏返しでもある。
・心のストレスの引当金を積んでおくと、あっけらかんとやり過ごせる。「どうせ上司の指示の3割は意味がなく、不愉快で腹立たしいものだ」、「どうせ部下は指示の3割は突き返してやってくれないか、できても役に立たないひどい仕事」だとハナから諦めておく。
・一流の人は会う度に進化している。
・人の精神年齢の自然性徴は20歳で停止する。30歳、40歳になっても成長できる人は、自分の足りなさを自覚し、向上心を持って勉強できる人。
・主体的に最高水準の仕事を目指せているか。
・「いま自分がやっている仕事は、もっと給料が安い人の中にも、自分以上に速く正確に仕上げられる人がいる」という厳しい競争を想像すると、自然と緊張感をもって働ける。
・ほうっておいてもある程度器用にこなせる一.五流の人は、器用さの罠にはまってしまい、全力を尽くして極限まで自分を追い込むストイックさに欠ける。
・一流になれない人の特徴はなんといっても油断。切迫感がない。希望的観測は一人前。
・世界のトップレベルの人材が集まる場所は、頭のよさといったスペックで差がつく世界ではない。むしろ皆ある程度高い能力に恵まれているので、どれだけその能力を一つの仕事に集中して発揮できるかが勝負の分かれ目になる。
・他の人がやらないレベルで「エキストラ・ワンマイル」を行く。限界までストレッチする。エキストラ・ワンミクロンでもいいので、ライバルより一歩先をいく。期待を上回る。
・誰に対しても敬意を払う。
・悪い情報ほど早出しする。将来予測のほとんどは外れると思っておくのが基本。賢明な人ほど失敗した時の対応力が高い。彼ら彼女らは予測が当たるかどうかより、予測が間違っていた時、速やかにその旨を報告し、信頼回復のリカバリーを打てるかどうかが重要だと知っている。二流の人ほどいいわけしたり自説に固執して、傷口を広げてしまう。
・好きだけで仕事を選んではいけない。才能があり、努力も誰よりもでき、ライバルよりこだわりがなければ、仕事にしない。そんな仕事がなければ、自分で創り出す。
・自分の周囲を見て、自分より良くできる人がいくらでもいれば、その職に長居してはいけない。
・使命感、存在意義をかけて、仕事に取り組む人は、食い扶持のために働いている人に比べて主体性が極めて高い。自分は何のために働くのかという理由に納得している人は、グリッド(最後までやり抜く力)が強い。
・仕事よりも大切なものは何かを知る。自分が達成したいものは何かを知る。何のために仕事をしようとしているのかを知る。
・人生の選択ミスの大半は、「人生がいつまでも続く」という幻想が生む緊張感の欠如に由来する。逆に「時間が限られている」と深く認識すれば、多少儲かるけれども好きでもないことにダラダラ時間を費やせない。