ドキュメント パナソニック人事抗争史 (講談社+α文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • パナソニックの人事抗争がいかに、同社を栄光ある立場から突き落としていったかを巡るノンフィクション。「『何が正しいか』ではなく『誰が正しいか』を重視する」風潮が蔓延
    していたというように、一つの間違えた判断が歯車のように何十年も企業をむしばんでしまう。経営の立場にある人間は一読すべき一冊である。

  • 松下幸之助の忘れ物の物語でしょうか。36人抜きの大抜擢で幸之助の次の社長になった山下社長は、賢く立ち回り、猫(婿殿)に鈴をつける役を、後任の谷井社長に託す。が、婿殿もかなり強い方で、確り、巻き返しました。幸之助から、その能力を見切られていた婿殿(松下正治)と、その子飼い社長(婿殿対応の役員から出世した社長)が、如何にして、松下電機の未来を壊したのか、良く判ります。なんとも残念な物語ですが、改めて企業における事業継承の難しさを教えてくれる良い本であります。当たり前のことですが、会社の未来は、人が決めるのでしょうか。★四つですね。

  • ふむ

  • 面白くて、一気に読んでしまった。
    トップ人事のことが良く分かったが、不快感と同時にこんな会社で真面目に働いている社員が哀れだとも思った。
    読み物としては面白かったが、自分の為になる知識を得らる事は少なかったので、評価は中くらい。

  • 松下幸之助より後の7人の社長についての物語

    巨大すぎる企業。また創業家という存在。

    そして、歴代の社長たちは何を見据えて、仕事をしていたのか。

    お客さん?従業員?自分の立場…?

    何が正しいか、よりも、誰が正しいかが重要となっていた…
    それが長期にわたる低迷の理由である

    上司に媚びへつらって、出世してきた人は、上司たる自分に媚びへつらわない人を軽視する
    そうすると誰も正しいことが言えない
    誰も議論できない
    凋落するしかないのである…

    自由な議論のできる、普通の会社になれるか
    そこにパナソニックの命運はかかっている。



    目指すべきビジョンを示せず、自己保身や身内のえこひいきばかりを考える、そんな経営者には誰もついていかない。そんなことは当たり前。
    みんなわかってるんだけど、当事者になると案外どうしようもないのかもしれんし、リアルタイムで現状を把握する術もない。
    けれども、少なくとも自分だけでも、1人の人間として、誰にも忖度することなく、やるべきことをやり、言うべきことは言えるようになりたいと思った。


  • ありきたりな社内政治と内部抗争で会社が堕ちていく話。経済学における、経営者による会社へ業績への貢献度合いの話と同様の手合いで、本当かどうかという論証はできない。
    ただこういうストーリーをよく耳にするにつけ、「理想的なリーダー像」とは必ずしも求められているものではないのではなかろうかと疑問に感じる。
    つまり、出世する(しやすい)社員とは「理想的なリーダー」と真逆の性質をもっているのではないかというように考えるようになった。

  • 「東芝解体 電機メーカーが消える日」に松下は内部抗争で力を失ったとありましたので、詳しく知ろうと本書を。経営陣のやることなすこと裏目に出てたんですね。パニックホラームービーの粗筋を読んでいるようでした。

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(ともに新潮社)、『新聞が面白くない理由』『ドキュメント パナソニック人事抗争史』(ともに講談社)などがある。

「2021年 『キツネ目 グリコ森永事件全真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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