ハチミツとクローバー 9 [Kindle]

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 10
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感想・レビュー・書評

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  • そういえば、森田さんの話ってこんなんだったな。ハグが怪我する話って全然忘れていた。

  • 持てる者のつらさと強さ

  • ハグの怪我を起点としたエピソードに感情揺さぶられる

  • 奪われた父親の会社を、森田が兄弟とともに取り返す
    はぐが事故で右手を大怪我、リハビリでもとに戻るか分からない
    動揺する竹本と山田に対して揺らがない先生

  • 旅の前と後とで、竹本君の作る塔の精度が変わっていることに成長を見ました。やはり修復士の仕事を見て、足場をきちんと作ったりするのを見たのはおおきいですね。
    「僕は ただ 左右交互にペダルを踏んだだけ それを知ってるから もう ボクは大丈夫」と言う、竹本君はものすごく成長したなと思う。

    描くこと=生きること、の、はぐちゃんに訪れた試練、、「描きたい」「描きたくない」の選択ではなく、描くしかなかった人が試練に抗う様は、辛くて、美しいと思った。

  •  この表紙、な。後の「3月のライオン」への伏線。
     その意味するところが知りたくて本作を読もうと思ったわけだけど、結果としては特に大したことはなかった(>_<)

     森田兄弟の過去とかはぐの大怪我とか、突然話が三流ドラマっぽく「劇的」に急展開しだしてすっかり戸惑わされたこの第9巻。
     掲載誌が二度も三度も変わったからか、全体的にまとまりがない物語になってるなあって印象。行きあたりばったりっていうか何ていうか、群像劇の悪いとこばかり目につく感じ。
    (以下続刊)
    2022/04/11
    #2959

  • さあ物語は終わりに向け、
    クライマックスの調べを奏で始めました。
    9巻に勝手にタイトルをつけるとしたら、
    「天才、それぞれの葛藤」
    といったところでしょうか。
    少女漫画として零点だなあと思いますが、
    静かで激しい闘いが展開します。

    森田さんとはぐちゃん。
    二人は芸術の才能に恵まれた天才です。
    お互いの才能を認めて刺激し合い、
    ある意味心を通じ合わせています。
    凡人の理解を超えた天才ならではのやり方で、
    コミュニケーションをとります。
    周囲から見ればその様子は子ども同士。
    お互いにとって、
    同じ視座で世界を眺めることのできる
    初めての存在なのかもしれません。

    けれど森田さんは一定の距離を置いて、
    それ以上はぐちゃんに近づこうとしないのです。
    はぐちゃんが距離を詰めないのは、
    恋愛にも人付き合いにも奥手だからだと分かります。
    でも森田さんは相手のことなんかお構いなく、
    ずかずか行くタイプです。
    なぜなんだろうと不思議に思っていました。
    その謎がここにきて明らかになります。

    彼が高額なアルバイトをするのには理由があったのです。
    そう言われてみれば、
    安い下宿に住み出費も極力抑えています。
    お金が、それも目も眩むほどの大金が必要だったのです。
    彼の家庭環境、生い立ちが語られます。

    彼にはやらなくてはいけないことがあった。
    そのためには、恋をして一人だけ
    幸せになるわけにはいかなかった。
    心を恋だけに向けるわけにはいかなかった。
    だから好きだという素直な気持ちを持ちながら、
    一線は越えようとしなかったのです。

    卒業が近づくはぐちゃんも決断を迫られます。
    進路をどうするのか。
    自分の才能を思い切り発揮してみたい想いと、
    そのためには誰かの助けが必要だという葛藤です。
    森田さんならGIVE&TAKE GIVE大目で、
    素直に誰かの助けを得られそうですが、
    生真面目なはぐちゃんはそうはいきません。
    しかもちょっとしたヘルプではなく、
    生活を懸け自分をフォローして欲しいというお願いです。
    他者の人生を背負う重たさに戸惑い、
    自分はそこまで価値のある存在だろうかと
    不安も募ります。

    加えて、はぐちゃんの才能を揺るがす事件が起こります。
    はぐちゃんの才能が根本から失われかねない危機です。
    芸術の道を選ぶなら、誰かの助けが不可欠となります。
    細々と自分の出来る範囲でやるなんてことは、
    できなくなります。

    二人はそれぞれの地でそれぞれ闘います。
    身を寄せ合って、同じものを目指せないだろうか。
    繋がりを感じながらともに戦うことはできないだろうか。
    そんなことを感じさせます。

    切ないなあ。

  • 森田の過去篇から始まる本巻は、何か穏やかだがもの悲しい、ちょっと暗い照明の下にいるようなイメージだった。
    そして物語は急転直下、終息に向かっていく。それは急激に訪れた終末のように見えて、1巻からずっと通奏低音で奏でられてきたテーマでもあったのだ。
    本作のテーマ。それは「終わっていく」という事である。森田の美大卒業にまつわるエピソードから本作はスタートしており、はじめからおわりが見据えられていることがわかる。
    そして当然だが、おわりには「死」が連想される。本作における「死」とは何か。いや、逆説的に言おう。本作で「生きていた」人物とは誰だ。
    竹本や山田や真山は生きているのか。いや、確かに生きているが、しかし、彼らはある意味死んでいる。「美大生」として死んでいる。恋愛のみが青春の象徴になってしまった彼ら彼女らは、生きているが死んでいるのだ。
    では森田は?森田も実は光ではない方向に邁進していた事が本巻で暴かれる。彼も実は死んでいたのだ。
    そう、答えははぐだけだ。はぐだけが絵を描いていた。彼女だけ生きていた。それが本巻において大きな躓きがはぐを襲う。彼女は生きるのか、死ぬのか。最終巻はそこを注視するべきだろう。

  • 森田の謎の物語,卒業へ向かっていく悩みに事故。伏線回収しつつラストへ流れ込む感じの巻。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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