水力発電が日本を救う―今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる [Kindle]
- 東洋経済新報社 (2016年8月19日発売)
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感想・レビュー・書評
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ダムで水力発電増やしましょう、という話。
昭和の時代にはダム作るときに村を水没させていた、ということさえ知らなかった自分でもよく理解できた。そして知らない世界に触れられて面白かった。
今のダムには(時代錯誤的な法律のせいで)水が半分くらいしか入っていないんで、水力発電のために水をもっと入れましょう、という話がひとつ。
もうひとつは、なぜ民間企業の小水力発電事業がうまく行かないのか、という話。
後者が特に面白かった。水源地域の村人たちは、(法的には国のものである)川を自分たちのものだと思っている。なんで余所者がうちの川で金儲けするんだ、と。そして国交省も明文化しないけど地元民と合意とれていない開発に許可をださない。結果民間企業はいつまでたっても事業を始められない。
一方、地元民が自ら小水力開発をやろうと融資を希望しても、川もその土地も国のものだから担保にできない、だから銀行の審査もおりないという悪循環。
いい感じで煮詰まっている。
これまでの文明の進歩は自然の犠牲がセットだった。火を覚えたら木を大量伐採して、化石燃料を見つけたらガンガン採掘をして。
個人的には最近のグリーンインフラという言葉を聞くと、なんとなく資本家の素晴らしい栄光の道を邪魔するような不快感を感じるのだが、世の中的にはそんなことを言っていられる状況でもなくなっている。
こういう領域にも意識を広げていかないといけないと感じている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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