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- / ISBN・EAN: 4988003498993
感想・レビュー・書評
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「世界が注目する女子大生ドラマー」の、満を持してのメジャーデビュー作である。
「スムース・ジャズを中心に数多くの実績をもつプロデューサー、フィリップ・セスをサウンド・プロデューサーに迎え、ロサンゼルスにてレコーディングした渾身作!」という惹句を見て、一抹の不安を感じた。
スムース・ジャズの好きな人には悪いが、私にとってスムース・ジャズは「毒にも薬にもならない、つまらない音楽の代名詞」なのである。「音楽は毒か薬にならなければつまらない」と思っているので、 「あんまりスムース・ジャズ寄りにならないでほしいなァ」と思いつつ聴いた。
なるほどたしかに、千里ちゃんのソロアルバム3作のうち、いちばんジャズ・ロック色が薄く、「普通のフュージョン」色が濃いアルバムになっている。
ジャズ・ロック好きな私としては、もっとハード一辺倒のアルバムにしてほしかったが、これはこれで悪くない。
「もろスムース・ジャズ」という感じの甘ったるい曲はほとんどなく、曲によってはかなりハード。タイトルのとおり、ハードかつスイートなアルバムなのだ。
千里ちゃんのドラミングも、タイトで手数が多くて心地よい。「とにかく彼女のドラムスを聴きたい」という狙いで購入した場合、その期待を裏切られることはないと思う。
前2作が第2期リターン・トゥ・フォーエヴァー的だとしたら、今作はチック・コリア・エレクトリック・バンドに近い、という感じ。ドラムスはちょっとデイヴ・ウェックルを彷彿とさせるし……。RTFのような重戦車的リズムではなく、もっと軽快できらびやかでスピーディーなのだ。
悪くはないけど、私はやっぱりファーストソロ『A LA MODE』やKIYO*SENのハード路線のほうが好きだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示