明治維新という名の洗脳 [Kindle]

著者 :
  • コグニティブリサーチラボ株式会社
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感想・レビュー・書評

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  • 明治維新って日本史の授業で最後の盛り上がりやからけっこう先生も力入れてしゃべるとこなんですよね。
    確かに内容は薩長に有利なように編纂されてるなと思います。
    ただお金の流れから言うと目から鱗な内容が多いです。
    長州藩に裏金がなかったらさすがに幕府に勝つのはないなあと思います。
    でもそれが特別会計の考え方の元になったというのは飛躍かなあと思います。

    「戦争がしたい志士たち。」
    「 戦争が起きてほしい国際金融家たち。」
    たしかに戦争の歴史は儲かるからってのがあると思います。
    陰謀論には与しないですが明治維新から第二次世界大戦まで儲かるから戦争が起こるように国際金融家が動いてるというのは理屈として合います。
    僕も倒幕が必要やったのかと思います。
    NHKが司馬史観で大河ドラマが明治礼賛をやってきたというのはあると思います。
    そういう意味で今回の大河ドラマは画期的やったのかもしれません。
    ようやくNHKで幕府を潰す必要はなかったと主人公が語ってますから。

  • 徳川の世が終焉を迎えるにあたって起こった事と、それが現代にどう繋がっているのか。その間、日本を牛耳ってきた人脈はどういう人間たちがどういう思想で構成してきたものか。ドラマや歴史小説、テレビニュースに洗脳されたままでは、決して日本人たることの意味、日本国民としての正確なアイデンティティは見えてこない。自民党政治、ひいては長州閥の正体とは。何がどう腐ったのか。

  • 初めて読んだ苫米地英人さんの本。
    面白すぎて久しぶりに一気に読んだ。

    最初はただの陰謀論かと思って読み進めたが、ここに書かれていることは紛れもなく事実である。
    これを読むと幕末・明治維新の見方が一気に変わる。
    現代に続く政権トップが薩摩長州の実力者達であることは知っていたが、まさかここまでとは。

    幕末から明治にかけての薩摩長州・幕府・諸外国との関わりは複雑怪奇な部分が多々あるが、そこには国家よりも巨大な権力を持った存在が登場していたとすれば納得がいく。
    そして、その権力構造は現在も変わっていなく、より巨大になっている。
    金融資本主義に生きる私たちは、常に彼らの駒であって、搾り取られるだけの存在である。
    これから投資をするに当たって、とても考えさせられる1冊であった。

  • 新しい時代の幕開けとなった明治維新については、これまで何となくポジティブなイメージを持っていたが、それは洗脳を受けていたかもしれないという気持ちにさせられた。

    自分の歴史の知識が浅いため、本書の流れについていくのに必死だったが、歴史が好きな人にはとてもおすすめできる本だと思う。

    著者の「民主主義の最後の敵は資本主義」との主張はとても興味深い。かといって著者は共産主義者ではなく、現在の金融システムによる格差の拡大を嘆いており、本来あるべき民主主義を追求する姿勢に美しさを感じる。
    周りの雰囲気に流されることなく、自分の頭でしっかり考えて物事を判断していきたい。

  • 本の良さでもある多角的な視点で物事を観れる本だった

  • 明治維新のころは、倒幕と佐幕、攘夷と尊王などが入り乱れており、確かによくわからない。本書では、「尊王討幕派は尊王攘夷派ではない、事実彼らは数年のうちに攘夷派から開国派へと変貌している」という「うしろめたさ」を「最初は攘夷と意気込んでいたが敵のあまりの強さにおののき、倒幕へと変わった、その大義名分が、腐った徳川時代を外国の力を借りて打破し、自分たちで新しい日本を築き、富国強兵し、やがては攘夷を貫徹する」という自己弁護の指摘は面白い。(P64)
    しかし、志士たちが思い描くように外国勢力が協力してくれるのか?その答えは、英駐日通訳官だったアーネスト・サトウの著書にある。「士農工商という階級社会に君臨する武士さえ手なずければ日本統治は簡単(要旨)」なので、幕府勢力と反政府勢力をうまく操り、おいしいとこどりを目指す狡猾外交が基本だったので、志士たちは単なる彼らの駒でしかなかったが、一応志士たちの意向と合致していたのは事実。(P75)
    では、この場合の「おいしいとこ」とは何か?それは、国内で戦争が勃発した時期に外国商社や外資系銀行が雲霞のごとくやってきた点にある。戦争が起きれば、当事国の通貨が暴落、使えなくなるため、武器調達のために外資系銀行から借財せざるを得なくなり、国際金融家たちは手を汚さずに儲けられる。彼らからすれば、内紛が起き戦争を起こさせることが大事。(P118)
    その彼らとは、(英国)政府ではなく、(英国)金融資本家というポイントも大切。(P128)
    では、将来的に敵対勢力となる志士たちをなぜ英国政府は放任したのか?それは、彼らが戦争の火種になるからに過ぎなかった。(P131)
    さらに、明治の岩倉使節団の不可解さも指摘。新政府の立ち上げで大切な時期に岩倉、伊藤、大久保、木戸など総勢107名の大編成で外遊したが、成果はほとんどない。団長をはじめ構成員が反征韓論者ばかり、彼らが留守になれば国内は征韓論に傾く、つまり戦争の火種を燃やし続けることができるというメリットがあるから、外遊のスポンサーは金を出した。(P140)
    竜馬の暗殺の黒幕指摘も面白い。筆者の指摘のように、大政奉還の立役者、竜馬の暗殺は、倒幕したい薩長と内戦で儲けようとしていた武器商人グラバーは竜馬の裏切りだと激怒したゆえだとしたら(P146)、やはり坂本龍馬こそ救国の人に違いない。
    戦後の日本も相変わらず、様々な洗脳が残されたまま。広島原爆の碑文を見た極東軍事裁判の判事である、インドのパール博士の言葉は胸を打つ。(P152)
    日銀の株式購入や年金積立基金の株式運用など、国民の資産を使って、一部の特権階級と外人(6割以上が外人取引)のみが幸せになる資本主義の問題を指摘。(P168)
    最後は、多くの日本人が幸せになれない金融資本主義から決別し、真の民主主義を目指す覚悟を持て、と結ぶ。
    苫米地先生、目の付け所がシャープです。

  • 明治維新について、主にお金の流れから読み解いた一冊。

    従来の外国の侵略を守った明治政府、という流れではなく、外国の資本に取り込まれた中での明治維新という視点は斬新だった。

  • 資本主義に対し共産主義と考え、なんとなく民主主義も資本主義とセットのように考えてしまつていた。民主主義なら富の2極化はおかしいのではと思っていたので納得。明治を近代の夜明けと単純に喜ぶべきか戦争の時代の始まりと反省すべきか。げに恐ろしきは面白いが故に受け入れ易い司馬史観。

  • 面白かった!
    参考文献等の記載がないので、信じるか信じないかはあなた次第的な内容だけど、幕末がなんであんなにごちゃごちゃしてるのか、例えば外国人焼き討ちしたと思ったらその国へ留学していたり敵味方がコロコロ変わったりするのが不思議でしょうがなかった。でもこの視点で解釈するとすっきりする。
    そしてやっぱり、正史だけ見ていてはダメだなと痛感。

  • 改行多め。

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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