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- / ISBN・EAN: 4910019750475
感想・レビュー・書評
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ハーラン・エリスン、上田早夕里、宮内悠介。短編が豪華メンバー。
宮崎夏次系さんのマンガもなかなか好き。
読みたくなった作品は、つかいまこと『棄種たちの冬』。
上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」
海洋SF。人類絶滅後の世界。人類は絶滅に備え、深海にルーシィという変異種を放っていた。面白すぎませんか…?
エリスン「ちょっといいね、小さな人間」
ショート・ショート。小さな人間をつくってしまった男の話。この短さでも人間の狂気を描くのか…。結末はどういうこと?
野崎まど「精神構造相関性物理剛性」
ショート・ショート。いい話。SF?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ルーシィ、月、星、太陽★4
浄化後の世界。透明感。滅びの美とプリムの希望が調和して澄んだ気持ちになれた。
ちょっといいね、小さな人間★3
小さな人間、彼を造ったせいで迫害にあう。主人公は耐えかねて彼を叩き潰そうとするが、「お母さん」と呼ばれて、自分が彼より小さい人間であると悟る。・・・小難しい話。
エターナル・レガシー★5
今話題のアルファ碁に絡んで、レガシーであるZ80ネタを混ぜ、なおかつ涙ぐむ展開となるとは。GOOD。
精神構造相関性物理剛性★3
丁寧さだけが取り柄の、蕎麦屋の職人。丁寧に作れば硬度の高い折鶴ができるという。でもこれ、SFなのかな?
忘られのリメメント(1)★5
手軽に他人の記憶を体験できる素子MEM。超記憶症候群である主人公の深菜がシリアルキラーの朝来野唯を探すハメに。朝来野の言った最後の言葉「神の記憶を見つけた」とは何なのか?惹きこまれた。次も読む。
らくだ★3
砂漠でらくだの子宮に入って移動する主人公。最後に、神なみの長寿であることがわかるが・・・あんまりインパクトはなかった。
プラスチックの恋人(2)★5
いざ鎌倉!?マシンと人間の、違いを理解しつつもsexという行為をしようと試みる対話が面白い。魂って何なんだろう。
交換人間は平静を欠く(後)★3
製造人間、交換人間、無能人間・・・・そういう名称をもった異能力者バトルの話だった。ちょっとがっかり。
白昼月★3
透明感のある月の暮らし。シャトル事故のときだけ生きがいを感じた女性。その生きがいを感じるために事故をわざと起こそうとする。地球に帰ってくれ。
最後のウサマ★3
ビンラディンの意志は飛び火して、永遠に消えることはない。米国の暴力的解決を暗に批判する話。でもこの話の中では、ウサマは胞子で次々増えるので…ヴィジュアル的に気持ち悪い。
ライカの亡霊★4
荒廃した未来での核査察官…夢も希望もない世界で、秘密裏に進められていた火星移住。不覚にも、陰謀と火星移住にときめいた。
オールド・ロケットマン★3
士官学校読了したので、外伝である本作に着手。なるほど、あのシーンか。しかし、恒星反応弾の防衛シーンにちょっと拒絶反応が…もういいよ…。 -
"鳥子 迷い込む人が多いならあんまり役に立ってないんじゃ?
空魚 私もそう思う。
鳥子 熟練工が減ったのかもね。"[p.319_特別コラム 空魚と鳥子のだらだら怪談元ネタトーク 時空のおっさん]
「ちょっといいね、小さな人間」ハーラン・エリスン 宮脇孝雄訳
「精神構造相関性物理剛性」野﨑まど
「と、ある日の月と翻訳機」宮崎夏次系
「あしたの記憶装置 第14回」やくしまるえつこ
「『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』刊行記念 宮澤伊織インタビュウ」
「白昼月」六冬和生 -
「SFが読みたい!2017年版」でランキング上位だった作家の短編を収録。最も楽しめたのは上田早夕里さんの「ルーシィ、月、星、太陽」。オーシャンクロニクル・シリーズのルーシィ篇の最初の作品に位置づけられるものだ。独特の世界観を描いた作品で、素直に世界観に浸れるのが楽しい。宮内悠介さんの「エターナル・レガシー」も良い。PCがまだマイコンと呼ばれていた時代のパソコンに入っていたCPUであるZ80(を自称する男)が登場し、現在もZ80が現役であることを語る。現役と言っても、物理的な半導体チップとしての存在ではなく、あくまでも論理的な機能が存在しているだけなのであるが。それでもZ80が存在しないと生活が成り立たないことが示されて、なんかほのぼのとしたノスタルジックな読後感を味わえる。