湯を沸かすほどの熱い愛 通常版 [Blu-ray]

監督 : 中野量太 
出演 : 宮沢りえ  杉咲花  松坂桃李  オダギリジョー 
  • TCエンタテインメント
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562474185394

感想・レビュー・書評

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  • 圧巻の宮沢りえ。いやもうとにかく、宮沢りえが凄い。こりゃもう、凄い。間違いなく大好きな映画なのですが、この映画に関しては、宮沢りえ無しでは、成り立たない気がします。宮沢りえあっての映画。なんて言いたくないくらい好きな映画なんですが、いやもう、とにかく宮沢りえ、凄い。

    角田光代原作小説、吉田大八監督作品の映画版「紙の月」も、宮沢りえの主演としての存在感、お見事でしたが、こちらの作品も、もう。宮沢りえ。とんでもねえ女優だな、というのを。トコトンまでに痛感しました。いやもうホンマ凄いよ。

    実は、映画を観るより先に、小説版を読んでおりました。で、その小説版が、まあ、すげえ良かったんですよ。で、この映画版、小説版を先に知ってしまったし、ちょっとまあ、小説版の方に軍配上がるんじゃないかなあ個人的に、とか思ってたんですが、そんなこたあ、なかった。映画版の方が、好きです僕。ええ。映画版の方が、好きです。良かった。のか?

    まあ、小説版も、この脚本監督担当の中野量太さんご自身の小説化でしたし、中野さんご本人は本業は映画監督な訳ですから、小説版より映画版にグッと来た!というのは、正しい反応かなあ?とか思った次第ですね。ええ。

    ま、とても丁寧な映画です。脚本が丁寧、という言い方が良い?のか?とにかく、凄く丁寧。ど正直、というか、ど真っ当、というか、ホンマに丁寧。まずもって、ホンマに外枠がしっかりしている、という印象。

    で、物語に、それはもう見事に沢山の伏線が、あるんです。その回収の流れが、、、お見事過ぎる。破綻が全くない。無理も全くない。小説版読んで、あらすじをもう知ってしまっていたので、「おお!?マジで!?」という驚きは、感じない上での鑑賞だったんですが、いやもう見事過ぎるストーリー展開。伏線の回収、って言ったら、イヤらしい言い方になっちゃってね、ごめんなさい、なんですがね。

    「登場人物のセリフ一つ一つに意味がある」と言えばいいんでしょうか。「あの時のあのセリフの意味」というのが、多角的に意味がある。というのを、シミジミと理解できる素晴らしさ、ですよね。そういう意味では、自分は、小説→映画、の流れで、この作品を二度体験出来て、幸せでした。映画から入った人は、もし一回目の鑑賞で気に入られたのならば、是非とも二回目を観ることをお勧めします。「伏線回収の見事さ」「あの時のあのセリフの意味」というあたりが、二度見したら、痛感できると思いますので。

    エンディングの素晴らしさは、個人的には、言うに及ばず、って感じですね。あんま言いたくないんですが、このエンディングは、ホンマに究極だと思います。「全てが氷解する。全てが腑に落ちる。全てがあるべき場所に収まる」という意味で、ある意味、究極のエンディング、だと思います。

    最後の最後の場面、映画の題名「湯を沸かすほどの熱い愛」のテロップがでて、その場面で主題歌の、きのこ帝国の主題歌「愛のゆくえ」のイントロのギターが、ギュイーン!!って入ってくるタイミング。完璧すぎて感涙です。

    あと、オダギリジョーは物凄く好きなのですが、この映画の中での、良い意味でのオダギリジョーの存在感の薄さ。ビックリした。あのオダギリジョーが、こんなに目立ってない(ように自分には感じられた)なんて!どうなんだろう。オダギリジョー、この映画に関しては「全て宮沢りえさんに持ってってもらおう」って思って、敢えて自分の存在感、消しまくったのでは?とか勝手に邪推する次第です。それくらいにオダギリジョー、圧倒的に存在感、なかった。それでも大好きだけど。

    女優の杉咲花、凄く良いです。めちゃくちゃ良い。宮沢りえが、やっぱ圧倒的ですが、娘役の彼女、ホンマに凄く良かった。驚愕しました。

  • 病床の宮沢りえがすごかった。
    なんでもしてあげたいって思うのは、それ以上のものをもらってるから、か。

  • 余命2ヶ月のお母ちゃんが最期までかっこよく生きるお話。オダギリジョーのだめ男ハマっててよい。そして杉咲花はちょっと不思議でいい女優。この映画なにがいいってタイトルがいい。悲しいテーマだけど、なんだかまったりした雰囲気で、ちょっと強くなれる、そんな映画。

  • 泣きまくったわー

  • こんな凄い母ちゃん、いないと思うけど、宮沢りえがとにかくカッコいい。人を丸ごと愛するってこういうことか!と思える作品。ラストにタイトルが出て来て、その時にタイトルの意味が分かるんですが、衝撃でした。
    ちょろっと出てくる松坂桃李も良い。自分の死を受け入れていると思って見ていたら、ラスト近くの病院のシーンでのむせび泣きに、こっちも号泣。凄い映画でした。人を愛するってなぁー。と考えさせられます。

  • 日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を宮沢りえが獲得した作品。
    確かに、彼女の演技に関しては素晴らしいものがあった。
    僕らの七日間戦争と同じ人とは思えないぐらいに。

    末期癌を宣告された母。
    そして学校でイジメに遭っている娘。
    湯気の様にフッと失踪してしまった父。
    残された時間の使い方。
    そして全ての真実。
    どれをとっても良く出来た脚本である。
    こうしたオリジナル作品がもっと増える映画界であってほしい。

    映画でしか描けない物語はきっともっと沢山眠っているはずだ。

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著者プロフィール

1973年京都府育ち。京都産業大学卒業後、日本映画学校に入学。2000年卒業制作『バンザイ人生まっ赤っ赤。』が日本映画学校今村昌平賞、第1回TAMANEWWAVEグランプリなどを受賞。卒業後、助監督やテレビディレクターを経て、自主短編映画『ロケットパンチを君に!』で、ひろしま映像展2006グランプリ、第10回水戸短編映像祭準グランプリなど7つの賞に輝く。2008年文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35mmフィルムで制作した短編映画『琥珀色のキラキラ』が高い評価を得る。自主長編映画『チチを撮りに』が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012にて、日本人初の監督賞を受賞、第63回ベルリン国際映画祭を皮切りに各国の映画祭に招待され、国内外で14の賞に輝く。2016年商業デビュー作となる『湯を沸かすほどの熱い愛』が、第40回日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞など、国内映画賞で35冠。第90回米アカデミー賞外国語映画部門の日本代表に選ばれる。2019年初の原作モノとなる『長いお別れ』を5月に公開、ロングランヒットに。独自の感性と視点で、家族を描き続けている。

「2020年 『浅田家!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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