恐怖の作法 ホラー映画の技術 [Kindle]

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  • 河出書房新社
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感想・レビュー・書評

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  • Jホラーはそれなりに漁って観たのだが、小中千昭作品はあまり観たことない。
    黒沢清監督の『DOOR Ⅲ』と『邪眼霊』、あとはテレビドラマでいくつか観たことある作品もあるが、それくらいだろうか。
    そんな自分でも小中理論は知っていて、ホラーを作るうえでのメソッドだということは知っていた。

    その小中理論について書かれた『ホラー映画の魅力 ファンダメンタル・ホラー宣言』に加筆修正されたのが本作『恐怖の作法』だ。
    これが非常に面白くて、脚本や創作については勿論だが、ホラー論としても面白かった。

    自分は劇中の設定についても納得できるものであれば、言語化しにくくても漠然とそういうものだ、と片付けてしまうことが多かったが、本著ではかなり具体的かつロジカルに言語化している。
    霊だからってこうはならないだろ、とか呪いや祟りも好き勝手やっていいわけじゃない、ということがよくわかる。この呪いや祟り論についての章は、なるほど! と膝を打つ。
    深度のあるホラー論で読んでいて、ホラー作品を観る上での一つの指針ともなり得る章だった。

    そして後書きには、2022年に亡くなってしまった津原泰水さんとのやり取りが書かれている。
    津原さんが亡くなってしまったことのショックもあるのだが、ここでちょっと泣きそうになってしまった。

    折を見てまた読み返すと思う。

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著者プロフィール

1961年東京都出身。成城大学(映画記号学専攻)在学中より特殊映像専門のライターとして活躍。卒業後、映像ディレクターを経て『邪願霊』(88年)で脚本家としてデビュー。以来、ホラー/SF/ファンタジー系の脚本家として幅広く活動。幼少期から特撮作品に親しんでいたこともあり、『ウルトラマンティガ』など、特撮作品にも数多く携わる。代表作に『くまちゃん』(93年)、『エコエコアザラク』(97年)、『THEビックオー』(99年)、『ウルトラマンマックス』(05年)など。また近著に「恐怖の作法:ホラー映画の技術」(2014年/河出書房新社刊)、「光を継ぐために ウルトラマンティガ」(2015年/洋泉社刊)などがある。
アマチュア・ベーシストの一面を持ち、高校~大学時代はクロスオーバーなどのコピーに勤しんだ。NHKの『BABYMETAL現象〜世界が熱狂する理由〜』(2014)を見て、2015年よりブログ『BABYMETAL試論』の執筆を開始、彼女たちの活動を追い続けている。

「2016年 『BABYMETAL試論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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