kalitanさんの感想
2023年1月22日
荒れ果て消えゆく村にひとりで暮らす男。いくつもの死に囲まれ恐怖や憂いと戦っている。幻想の中に生きているのか夢なのか、詩的で美しい非情さがある。作者の眼差しに温かさもなぜか感じられる。 ストーリーというほどのものは無く、詩人である作者の言葉を訳者が紹介している。ーー詩は自分にとって祈りのようなものだが、祈りに似た思いを散文でも表現できるようになったーーこの言葉に合う小説だと思う。
1955年、スペイン生まれ。詩人、作家。著書に『黄色い雨』『狼たちの月』『無声映画のシーン』(いずれも木村榮一訳)など。 「2022年 『リャマサーレス短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」