逆説のスタートアップ思考 (中公新書ラクレ) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • スタートアップ関連のスライドでお馴染みの馬田さんの本。スタートアップに関する情報がすごくよくまとまってて、密度がめちゃくちゃ濃くて面白い。

    特に、現在東大の起業支援の職に就いているため、大学や研究とスタートアップに関する事例や見解も多い。

    --
    トップエリートほど「自分たちの責務としてスタートアップを興し、社会をよりよくしてくべき」と考える
    スタートアップは短期間で急成長を目指す一時的な組織体のこと
    誰の目から見てもよく思われるアイデアでスタートアップを始めれば、多くの場合、急成長を遂げられません。
    Why Now?
    難しい課題のほうがスタートアップは簡単になる
    宇宙
    面倒な仕事は避けられない
    コードを書くだけでスタートアップを始めることはできない
    面倒な仕事には、業界の現場を通して気づくことが多い
    本当に成功している企業というのは、既存のカテゴリーにはまらない、事業内容を説明しにくい企業
    カテゴリを開拓するような新しい製品は、カテゴリそのものの名前になります。(ウォークマン、ファミコン)
    新しい価値を作って、それを独占しろ
    小さな市場から始めろ
    飛びぬけて頭のよい人が週末にやっていることが、10年後の普通になる
    自分だけが知っている大切な真実を前提としたアイデアですか
    「競争」を避けて「独占」すること
    1. プロプライエタリテクノロジ(専売的な技術)
    2. ネットワーク効果
    3. 規模の経済
    4. ブランド
    「ディストリビューション」「政府」「複雑な組み合わせと調整」
    一つひとつ段階的に独占をしていくこと
    先行者利益よりも「終盤を制すること」
    単体で効果のあるベストプラクティスほど、すぐに真似されます
    (大企業に)アイデアを守る(育て上げる)仕組みがない
    資金調達ごとに約1.5年間、会社が生き長らえるだけのお金を得る
    手間をかけるほど愛着が湧くという「IKEA効果」
    顧客の新規獲得にかかるコストは、顧客の維持のコストの5倍から25倍
    25人を超えたら、製品作りから会社作りへ創業者の仕事は移る
    成功する起業家は、適切なタイミングまで待つ
    ホットでトレンドの市場に急いで参入すると、参入した起業家の会社の生存率や成長確率が低くなる
    キャリアにおいても、特に初期のほうにランダム性を取り入れて様々な分野での可能性を試したほうが、あなた自身の本当の得意分野、つまり最適解が見つかりやすい
    30歳頃まで専門分野は必要ない
    本当によい製品を作ることができれば、手伝いたいと言ってくる人は今の日本にはたくさんいます。

  • スタートアップに必要な心構えとか、どういったものを目指してスタートアップをするかどうかを解説した本。

    簡易な文体にシンプルな主張で、非常にわかりやすかった。

    とにかくPDCAを回せというありがちなアドバイスもあったが、根本をなす、「全く利益が出なさそうで誰もやってないことをやれ」という主張はたしかにと思える主張だった。

    個人的に好きな一文は
    「ドラッカーは「イノベーションに対する最高の賛辞は、『なぜ自分には思いつかなかったか』であると言っていた」

  • ピーター・ティール、ポール・グレアムといったシリコンバレー系のアントレプレナーの引用が多い。ピーター・ティールの「ゼロ・トゥ・ワン」を読んだ方であれば、既知の内容が多いかもしれません。
    著者独自の主張が少ない印象を受けました。しかしサクッと読むことはできるので、手っ取り早くスタートアップの知識を得たい方には良いと思います。

    【メモ】
    ・スタートアップは半直観的である
    └半直観的=瞬時の推論や直観的な判断が実は正しくない事柄のこと
    ・スタートアップは世界の不確実性を良い方向に利用して、短期間での急成長を狙う
    ・素早く独占するための条件
    ①小さな市場を選ぶこと
    ②少数の特定の顧客が集中していること
    ③ライバルがほとんどいないこと
    ④顧客に刺さり続ける仕組みがあること
    ⑤スケールのために必要な限界費用が低いこと
    ・長期の独占状態を作るための要素
    ①専売的な技術
    ②ネットワーク効果
    ③規模の経済
    ④ブランド
    ・初期の製品で重要なのは継続率と離脱率
    ・セールスや初期の顧客獲得は創業者自身がすべき
    ・スタートアップにとってのカスタマーサポートは製品以外の体験を提供できる重要な活動

  • ・不合理なアイディアほど合理的。
    ・難しい課題や面倒な課題の方がまわりから支援を受けられたり、競合がいないので結果的に簡単になる。だからこそ社会的に言あんぱくとの大きい課題を選ぶことが良い
    ・まず「独占」を狙う。小さな市場から初めて素早く独占し、その状態を長く維持する仕組みを作る
    ・競合に負けることが負けなのではなく、競争すること自体が負け。競争から抜け出ることを意識する
    ・戦略とはやらないことを決める事 決して最高を目指す競争をしてはいけない
    ・競争を抜け出すためには独自の価値を作る必要がある。さらに、独自の価値を他社と異なる独自のやり方でどうやって作るかを考える必要がある
    ・戦略とは実践から生まれる。戦略を早く作るためにも一戸t九も早く製品を市場に出そう。

    ・まず何より人が欲しがるものを作る
    ・製品以外もプロダクト体験として認識することで打ち手が広がる
    ・プロダクト体験は仮説の集合。まずは最も大きなリスクを抱える仮説から検証を始める
    ・大きなリスクは顧客のニーズがあるか。確認のために早くローンチして顧客の反応を見る
    ・少数から愛される製品を作る。そのためにスケールしないことが重要。継続率を追い続ける。
    ・サポートとセールスは製品開発の一種。面倒な仕事を避けず創業者が自ら行う。

  • 田所さんとはまた違った面で、スタートアップに役に立つ情報が満載だった。

  • アイディア、戦略、プロダクトにおける反直感的な逆説的な原則がまとめられていて参考になる。運のコントロールやリスクのとり方についても面白かった。ポール・グレアムとピーター・ティールの考え方を参考にしている所が多かったので、次は「ハッカーと画家」「Zero to One」を読んでみたい。

  • 知人の紹介で購入。
    スタートアップに関わる人間であれば、起業家・投資家・従業員問わず全編通じて非常に勉強になる内容なのでは。
    成功した著名なスタートアップの事例も数多く引用されていて説得力がある。

    伝統的な企業に勤める人でも、終章はぜひ一読してほしい。

    自信をもって人に薦められる一冊。

  • 地に足がついた感じというか、非常に説得力がある話がちらほら。サクッと読めるし、起業考えてる人にはおすすめですね。

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著者プロフィール

東京大学 FoundX ディレクター。
University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトを経て、2016年から東京大学。東京大学では本郷テックガレージの立ち上げと運営を行い、2019年からFoundXディレクターとしてスタートアップの支援とアントレプレナーシップ教育に従事する。スタートアップ向けのスライド、ブログなどで情報提供を行っている。著書に『逆説のスタートアップ思考』『成功する起業家は居場所を選ぶ』『未来を実装する』。

「2022年 『解像度を上げる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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