オスとメスはどちらが得か? (祥伝社新書) [Kindle]

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  • 生き物には何故オスとメスがいて、生殖という面倒で厄介な仕組みを使って子孫を残すようになったのか。それはひとえに環境変化に耐え得る多様な子孫を残すため。

    それにしても、生き物によって生殖の仕組みがこれだけ違うとは驚き! 単為生殖と両性生殖を使い分けたり、オスからメスへ(あるいはメスからオスへ)性転換したり、植物でも環境によって他殖と自殖を使い分けたり。メスと比べてあまりにも小さいオスとか、抜け目なく賢いオスの「スニーカー戦略」(「こそ泥の戦略」)、メスに化けるオスの戦略、メスの浮気が心配でオスがメスに寄り添い監視する一夫一妻制(オンブバッタ、アキアカネ、オシドリ)、オスのみが子育てする魚類、睾丸が大きく発達した乱交制のサルのオス、等々。動物や昆虫、植物の生殖の不思議の数々に興味は尽きない。

    こうして生物の様々な生殖戦略を見ていくと、我々人間の営みの意味も見えてくるなあ。

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著者プロフィール

稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ):1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、静岡大学大学院教授。農業研究に携わる傍ら、雑草や昆虫など身近な生き物に関する記述や講演を行っている。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』『身近な野菜のなるほど観察録』『身近な虫たちの華麗な生きかた』『身近な野の草 日本のこころ』(ちくま文庫)、『植物はなぜ動かないのか』『雑草はなぜそこに生えているのか』『イネという不思議な植物』『はずれ者が進化をつくる』『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』(ちくまプリマー新書)、『たたかう植物』(ちくま新書)など多数。

「2023年 『身近な植物の賢い生きかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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