物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年 (中公新書) [Kindle]
- 中央公論新社 (2013年3月25日発売)
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感想・レビュー・書評
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シンガポールという国の正体や歴史は昔から気になっていた。この世界にある経済的に豊かな国はほぼ例外なく長い歴史を持っているが、シンガポールは200年程の歴史しかない。本書によって一つの若い国がこれだけ急速な発展を遂げた理由を知ることができた。
特に驚いたのは、シンガポールの与党である人民行動党の、野党やメディア、反体制派に対する厳しい姿勢である。私は過去にトランジットで数時間シンガポールの中心街を訪れたことがあるが、その際に東南アジアならでは低い雲の中へ隠れる金融街の超高層ビル群の数々を見て、シンガポールの発展の程度に驚くとともに、勝手に自由主義的な雰囲気を感じていた。しかし、本書でそれは覆された。シンガポールの中央政府の揺るぎない一強。そしてその政府による経済発展最優先主義を前提とした、メディア管理や野党への弾圧。こうやってあえて強力に管理することで為せる発展もあるのだと知った。
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