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感想・レビュー・書評
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60年代の田舎から出てきた若者(団塊世代)の、社会関係資本のない生活ぶり、文化がよく描かれている。
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p.2022/8/19
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「統計的事実の中に実存的意味を見出すこと」
原稿用紙100枚程度の短い論考だが上記のスタイルに基づきながら、60年代に生じた少年による連続殺人事件の社会学的考察を進めた良書である。
解説で大澤真幸氏が述べていたが、簡潔かつ深淵な語り口に魅了された。 -
現代人必読の書。そして実はマーケター必読の書。社会学の真髄から、平均値と極限値の狭間で真実を見出す知恵と技術を知れる一冊。
解説では見田宗介の弟子たる大澤真幸が、70年代の原著を、現代(2000年代)とつなげるための考察を加えていて、これまた勉強になる。 -
1968年から1969年にかけて19歳の少年が起こしたピストル連続射殺事件を題材にした論考。分析は大変鮮やかで秀逸。当時の社会状況・統計・少年の手記を分析し、ただの非行少年の凶行で済まさずに実在する少年の背景に隠れた階級構造に光をあてる。社会・他者からの「まなざし」が個々の運命を予め規定してしまうことを上手く描き出す。
「まなざしの地獄」のほか「新し望郷の歌」という論考も付いているが、こちらはマクロ視点のもの。当時の感覚がわからずいまいち何が問題なのかが理解できなかった。やや感傷的に家郷の解体等を論じている印象。