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感想・レビュー・書評
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「どうしますか、正式に依頼しますか」
「お願いします」
ファンの一人として依頼者のなかに名前を連ねられるなら、それはそれで本望のような気がした。(第一章「アイドルの心得」より)
平瀬愛美さんの気持ちは、とってもよくわかる。ファンならば、有象無象の1人だけれども、確実にステータスを数段上がれることに命を賭けられる。
設定(省略)を読む限りでは、私にも「依頼したい人」は、少なくとも7人いる。もっと絞れ、と言われたらやはり4人だろうか。もっと絞れ、と言われたら1人に絞られるかも知れないけど、意味がないと思う。そもそも私が選ばれるはずがない、と最初から諦めている。亡くなった一年は毎日夢に出てきてくれないか、と願っていたし、いまは普通にさりげなく夢に登場してくれることで普通に満足していて、全然切実さがないからだ。
たとえ、雲の上のアイドルであろうと、母親であろうと、友人であろうと、失踪した恋人であろうと、あの人たちの切実な願いが、こんな奇跡のような再会に導かれる。
息抜きに読み始めたら置くこと叶わなかった。泣かされた。脳内はツナグの歩美くんは松阪桃李になっている。彼が高校生役なんて、新鮮。おばあちゃんは樹木希林だったんだね。有り触れたストーリーだと思い、観るのを避けてきたけど、見ておこうかな。辻村深月2冊目。実は読み終わって作者名に気がついた。行間を開ける(わざと描写しない)ことと、伏線回収も丁寧に行う。さすが人気作家だな、と思った。 -
短編集なので小説が苦手な人でも読みやすい。想い人の心得もオススメ。
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いくつかの短編に別れているので隙間時間で読むことができました!
死者にあった時の会話、その後の話に感動で泣きました。
泣ける話が読みたいっていう人におすすめです。 -
ページをめくる手が止まらないぐらい面白かった小説です。
5つの短編集が入っていて、一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれる『使者(ツナグ)』が、それぞれの登場人物と死者を会わせるお話でした。
その中でも、特に心にグサッときた短編は親友に会いたい女子高生のお話。
元々はすごく仲が良かったのに、お互いに後悔していることやすれ違いがあって、もやもやしました。
私も後から後悔するような行動はしない、って思うけど、その時の感情とか状況によっては、つい怒りをぶつけてしまったり、本心ではないことを言ってしまったりすることがあるので、思わず心を刺されたような気がしてしまいました。
もし使者が実在するならば、自分なら誰に会いたいかな?と考えながら読みましたが、決めるのってなかなか難しいですね。
登場人物たちが「この人に会いたい!」って言えるのは、すごいことだと思いました。
読み終えるのが惜しい本ですが、他の辻村さんの作品もぜひ読んでみたいと思いました。 -
前半は依頼を受けた『使者(ツナグ)』が依頼者と死者のコンタクトを行う話が依頼者の視点で描かれ、正直に言ってちょっと消化不良気味だった。後半ではツナグが前任者(祖母)からその役割を継承する過程で行われたそれらのコンタクトがツナグ側からの視点で描かれる。ツナグと依頼者の表裏が合わさることで途端に面白さが増し、そこからは一気に読み終えた。続編が俄然楽しみになった。
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読んだ後で知ったが、映画化されていた
とのこと。
現世の人が、亡くなった人と僅かだけど
想いを伝える手伝いをするのがツナグの
役目。
ファンタジー要素のある作品は、「珈琲
が冷めないうちに」のような感じだった
病死した母親に想いを伝える長男、失踪
した恋人の真実を知ってしまう男の話は
良かった。
続編に期待。 -
死者の存在、記憶、言葉が自分たち生者の心を良くも悪くも影響を与えていくものだと感じた。
よくあることだが、自分の思っていることは相手が感じていることと相違があって自分の中で理解したとその瞬間だけは腑に落ちていても、後から取り返しのつかない後悔をすることもあるんだ。と改めて感じれた。自分の視野は思い詰めれば詰めるほど狭まり自分勝手になってしまう。そんなことも感じた。 -
心洗われる一冊。
実在して欲しいと強く願う一方で、会わない方がいいのかもしれない・・・
どっちも読んで、観て、いないんですがね。
どっちも読んで、観て、いないんですがね。
「黄泉がえり」「いま、会いにゆきます」「コーヒーが冷めないうちに」と、足がついて顔が元のままという幽霊とも違うよみ...
「黄泉がえり」「いま、会いにゆきます」「コーヒーが冷めないうちに」と、足がついて顔が元のままという幽霊とも違うよみがえり作品はたくさんあって、「ツナグ」の映画化の時にはなんかスルーしてしまったんですよね。でも「コーヒー‥‥」は観ました。有村架純ちゃんが出るから。そしたら、やはりもういいかな、という気になって‥‥。
でも確かに、樹木希林の未見作品はあと三作しかない。観ておくのもいいかな。
> 電子書籍だとそういうこともあるんです。
そうとは知らず失礼しました。。。
辻村深月×松坂桃李 対談 「ご...
> 電子書籍だとそういうこともあるんです。
そうとは知らず失礼しました。。。
辻村深月×松坂桃李 対談 「ご縁」が繋ぐ、出会いと想い | 対談・鼎談 | Book Bang -ブックバン-
https://www.bookbang.jp/review/article/590674?all=1