旧暦屋、始めました 仕立屋・琥珀と着物の迷宮2 (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]
- 早川書房 (2017年9月30日発売)
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感想・レビュー・書評
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和服にまつわるミステリ、今回からは奈良が舞台に。
そういえば、奈良もあまり物語の舞台になる事が少ない気がする。作中でも触れられているが、京都も奈良も同じく古都であるのに、圧倒的に京都の方が注目されている。
さて。
和服と申しますか、日本の文化って、ほんとに謎かけが好きだなと思う。
平安文学を読めば、そりゃもう和歌のやりとりが基本で、その和歌には謎かけが含まれているわけです。
和歌だけではありません。
着る物、身の回りのものでも謎をかける。
それとなく何かを知らせる。
これは難しいけれども、わかると嬉しく、かつ雅やかですね。
その伝統が、今の和服にも生きていると思うのです。
だから、ハードルは高いけれども、一度そこに入り込んでしまうと、抜けられない魅力があるのでしょう。
まさに、着物の迷宮。
ここでは、大学生になった八重と、彼女を囲む新たな登場人物たち、そして相変わらずだけど、前よりもモーションをかけるようになったように見える琥珀、だけどなかなか「らぶらぶ」にはなれないふたり。
彼らを囲むお馴染みの登場人物の他、琥珀とサの字の店旧暦屋のとなりに開店した喫茶店セルネルが面白い!
たくさんのフランス人形が列び、これに旧暦屋仕立の和服が着せられている。
旧暦屋で扱っている小物なども飾られていて、セルネルから旧暦屋へお客がつながるという流れ。
しかもここは、店主手作りのケーキが失神するほど美味しいらしいw珍しいお菓子なども出てくるので、別の楽しみが増えています。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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