家庭のために自分のキャリアのゴールを諦めた物理学の教授ジェイソンが、友人の名誉ある科学賞授賞パーティーの帰り道にある男に襲われる所から物語は始まる。
脅され、運転させられてたどり着いた先は古い発電所で、そこで注射をされて意識を失う。
目が覚めるとそこはある研究所で、ジェイソンは偉大な発明をした科学者として称賛されている。
ただし、その世界に自分の愛した妻子はいない。
一番大切なものを奪われた絶望感を抱え、何が起きているのか、どうすれば元の世界に帰れるのか奔走する話。
紹介文にあるように、「もし、あのときこうしていれば?」といういわゆる、たらればな世界が実在し、それを見ることが出来て、果ては行くことが出来るとなったとき、あなたはどうするか?
ただし、その世界には別のバージョンの自分が既に存在している。
人生について考えさせられる、面白い本でした。
特に心に残ったのは、ジェイソンが色んなバージョンの世界を見ていく中で、如何に自分の元居た世界が良かったかを発見していくところです。
あとは人にとって、何が一番大切か。
また結局、あの頃こうしていればは例えその世界に行けたとしても、結局昔自分が行った決断は変えられないということ。