猫の擬人化でおそらく天保期がひな形のお話です。
鯔背な魚売りの清二と清二の長屋に居候している昼行燈で好色な弥源治が主人公です。
弥源治が迷い子のぼんを拾ってきてお話が進むのですが、ほんのりと温かったり切なかったりします。
月初の午の日、寺子屋へお子が母からのおもたせを先生に渡す時の口上と周りを囲むお子、先生が本当に愛くるしいです。
清二の天秤をかたどる色っぽさ、弥源治の柳のような色っぽさ、岩倉源右衛門先生の困窮の中の凛とした色っぽさ、ぜひお読みになってほしいです。
「いくら羽生山へび子さんの作品でも猫でしょーう!?」なはんて言っていた己にビンタしたいくらい多くの方にお読みになってほしいお話です。