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- / ISBN・EAN: 4589921406925
感想・レビュー・書評
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良質な美術館や博物館に行ったイメージ。
とても贅沢な気分になりました。
最初の『映画』監督、ルイ・リュミエールが監督した1422本の映画の内、108本を美しい音楽と詳しいナレーションと共に紹介。ちなみに日本語版ナレーションは落語家の立川志らく師匠。
有名なのは汽車が駅に入ってくるものと門から人々がばあっと出てくるものでしょうか。
あれってテキトーに撮ったものだと思っていたのですが違うんですね。
カメラの位置も人々の動きも計算されているのだそう。
その映像はナレーションで志らくさんもおっしゃっている通り‘完璧’。美しくダイナミックなのです。
どこかで「リュミエールに才能がなかったなら、映画はここまで発展したのだろうか」という言葉も聞いたことがありますね。それほど素晴らしい才能だそうです。
映像や演出についてのおはなし、へえっと思うようなこぼれ話も聞けるので映画の事を詳しく知りたいと思っている方にはとてもためになると思います。
あと、最近の映画でCG疲れしている方にもいいかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シネマトグラフの開発者リュミエール兄弟の映像をまとめて見る機会が持ててよかった。
まさに「光(lumiere)の採集」とでも呼びたくなるような映画だった。
どれも固定画面だったがゆえに気づいたのは、シネマトグラフはとても「絵」の構図を意識しているということ。セザンヌ、ターナー、ルノワール、etc...構図がやけに美しいのだ。それだけに、あるいはかえって、以後の時代のフィクション映画のエッセンスがぎっしりと詰め込まれていた。
固定画面はかえって、「時間」や「運動」を感じさせ、フレームをはみでる物語をあれこれと想像させる。 -
「世界で最初の映画」、というのに魅かれて手に取る。
120年前のドキュメンタリー作品。
古さを感じない、その映像の美しさに釘付けになったんですけど、それ以上に、絶妙な音楽とナレーションが秀逸で、飽きさせない不思議な時間に。
絵画しかなかった時代。
固定された動画は、まさに芸術家目線の構図で、「動く絵画」になっていて斬新。
当時の絵師と映画作りの目線は、きっと同じだったんだろーなーと想像させられました。
120年前でも、楽しく生きれただろうな?、と実感できました!
※1897年 イタリアで撮った作品 ~ 悪天候のヨット、が個人的にベスト作
※J・フォードが若きスピルバーグへ「地平線を真ん中に置いてはいけない」と言った -
映画の始まりは演出されたドキュメンタリー!
修復されてるんだろうけど、今みても映像が美しく構図的にも格好いい。
今と違い横長の画角じゃないからか建物とか奥行の立体感がすごい。