- Amazon.co.jp ・電子書籍 (223ページ)
感想・レビュー・書評
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唐の太宗の政治問答集のエッセンシャル版
部下とのやり取りを通じ現代にも金言を残す
個人的な理解は自らを律することであると理解した
要旨についてはその他訳者曰く、
①安きに居りて危うきを思う
②率先垂範、わが身を正す
③部下の諫言に耳を傾ける
④自己コントロールに徹する
⑤態度は謙虚、発言は慎重に
とのこと
そしてこれほどの名君であっても子育てにはうまく行かないことからして、難事と思われる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
唐の太宗とその配下の腹心たちとの対話集で、その後の北条政子や明治天皇などの帝王学のバイブルとしても利用された書。「リーダーは部下の耳の痛い進言にもきちんと傾けるべき」「部下のいうことを信頼しよく聞くのがリーダー」といった素晴らしい太宗のリーダー像がその対話からうかがえる一方、「こうしたリーダー像を後世に残しておきたい」という意図的なまとめではないかと思われる一面も伺えるのが面白い。どの為政者も後世には立派な人物として刻まれたいんだろうな。
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正直、拍子抜けするくらいにシンプルで平易なエピソードが積み重ねられていく。ときに訳者のガイドが入るけれど、基本は太宗がこう言って、魏徴とか房玄齢といった部下だどう答えた、みたいな展開の繰り返しだ。俺でも読み進められたわけだし、難しいことはなにもいっていない。むしろ、あぁなるほどという組織運営において、基本とされていることを確認しているだけのようにすらみえる。目からうろこ、というものではないんだよね。徳川家康や北条政子が読む耽ったという話からすると、拍子抜けとすら思うところもある。
ただ、それはそれだけ当時の知恵が広く知られるようになっているということかもしれない。だいたい、俺、この本のガイド、すでに何冊か読んでいるしね。
年を取ってからの方が、もっと腹落ちするところもあるだろう。またちょっと読み返してみよう。