すべてのJ-POPはパクリである【現代ポップス論考】 (SPA!BOOKS文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 全体的に賛同しかねる部分がところどころありつつも、長年お笑い芸人をやってきた立場から、日本でのお笑いと音楽の親和性を語らずにいられなかった感もある音楽論として面白く読めた。

    筆者がそれほど詳しくないとことわっているアニソンについて言えば、絵がすぐ思い浮かぶというより、そこから引き出される情報の多さかなあ。そのアニソンが使われた作品に対する評価、キャラの好み、うんちくなどなど思わず語りたくなる情報が芋づる式に連なっている。筆者が表現する「懐メロ感」で言うなら、思い出深さだろうか。YouTubeに上がっているアニソンに、曲そのものへの感想より、アニメに対するコメントが付くことが多いのがそのいい例。

    本書が初めて出たのは2014年。それからAKBやジャニーズを取り巻く環境も変わった。自分の知る範囲でも、ボカロPや歌い手出身のアーティストが普通にメジャーで活躍するようになって、筆者が指摘した曲の工業製品化、「制服」化がますます進んだようにも見える。それは悪い意味ではなく、誰もがちょっとしたアイデアや才能ひとつを武器に活躍できるようになった、それに触れられる機会が多くなったというか。今の状況を筆者はどう分析するのか、こういう音楽論は5年、10年単位で聞いてみたくなる。

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著者プロフィール

1970年生まれ、山梨県出身。芸人、ミュージシャン、役者、文筆家。芸人としては、音楽家のクセや楽曲の構造を模写する「作詞作曲ものまね」をはじめとした「オトネタ」を得意とする。またミュージシャンとして、2001年に結成したバンド「マキタ学級」での活動のほか、2013年にアルバム『推定無罪』をリリース。役者では、2012年公開の映画『苦役列車』で第55回ブルーリボン賞新人賞、第22回東スポ映画大賞新人賞をダブル受賞。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』『花子とアン』、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』『いだてんー東京オリムピック噺ー』、TBS『ルーズヴェルト・ゲーム』『中学聖日記』、テレビ東京『みんな!エスパーだよ!』『きのう何食べた?』などに出演。主な著書に『決定版 一億総ツッコミ時代』 (講談社文庫)、『すべてのJ-POPはパクリである』(扶桑社文庫)、『アナーキー・イン・ザ・子供かわいい “父親に成る”ということ』(アスペクト)がある。現在はBS12 トゥエルビ『ザ・カセットテープ・ミュージック』、TBSラジオ『東京ポッド許可局』にレギュラー出演中。

「2020年 『越境芸人 増補版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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