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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (313ページ)
感想・レビュー・書評
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コロナ禍で家にこもっていた時にパンを作ろうと思いたち、だったら原理を理解してから作ったろ!となって読んだ本。
結果、パンの仕組みにだけ詳しくなって理科の実験状態になってしまう。広い家に住んでいた時なので調理台で生地をこねるのは非常に楽しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
パンの作り方や特性について、科学の観点から解き明かしていく本。なぜパンは膨らむのか。パンの香りや味は何に由来するのか。そういったことを丁寧に説明していく。
個人的に興味深かったのは、イーストの工業化の話である。自然の発酵にまかせていた時は、パンを作る作業は数日かけて行うものだった。それが工業化された生イーストの登場により、発酵は数時間で完了し、1日でパンを作れるようになった。さらにドライイーストは真空パックすることで半年から1年も常温保存できるとなり、利便性が一気に増す。スタートアップの世界においては既存より10倍凄い技術が求められると聞くが、パンの世界においてもそのような技術革新が繰り返し起きていたことを知った。
この手の本を読むと、ふだん何気なく食べている物について自分は何も知らないのだと気がつく。そしてパンを見る時の目が変わる。人の視点に関して「解像度が上がる」なんて言葉があるが、本書はまさしくパンを見る時の解像度が上がる本であろう。
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