パンの科学 しあわせな香りと食感の秘密 (ブルーバックス) [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • コロナ禍で家にこもっていた時にパンを作ろうと思いたち、だったら原理を理解してから作ったろ!となって読んだ本。
    結果、パンの仕組みにだけ詳しくなって理科の実験状態になってしまう。広い家に住んでいた時なので調理台で生地をこねるのは非常に楽しかった。

  • パンの作り方や特性について、科学の観点から解き明かしていく本。なぜパンは膨らむのか。パンの香りや味は何に由来するのか。そういったことを丁寧に説明していく。

    個人的に興味深かったのは、イーストの工業化の話である。自然の発酵にまかせていた時は、パンを作る作業は数日かけて行うものだった。それが工業化された生イーストの登場により、発酵は数時間で完了し、1日でパンを作れるようになった。さらにドライイーストは真空パックすることで半年から1年も常温保存できるとなり、利便性が一気に増す。スタートアップの世界においては既存より10倍凄い技術が求められると聞くが、パンの世界においてもそのような技術革新が繰り返し起きていたことを知った。

    この手の本を読むと、ふだん何気なく食べている物について自分は何も知らないのだと気がつく。そしてパンを見る時の目が変わる。人の視点に関して「解像度が上がる」なんて言葉があるが、本書はまさしくパンを見る時の解像度が上がる本であろう。

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著者プロフィール

1956年大阪府生まれ。辻製菓専門学校 製パン特任教授。American Institute of Baking製パン科学学科、Kansas State University農学部穀物学科を卒業後、1987年辻製菓専門学校に入職。長年にわたり、近代製パンを科学と技術の両側面から専心・追究し、学術界並びに産業界から高い評価を受ける。また、穀物を中心とした食文化や歴史にも精通する、国内でも有数の研究家としても第一線で活躍中。著書に『基礎からわかる製パン技術』『パン「こつ」の科学』など。

「2018年 『パンの科学 しあわせな香りと食感の秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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