偽声 (Kindle Single) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 初めての藤井清美さん、短編。
    声優を目指す渚の葛藤と人間模様が描かれます。
    渚は才能が頼りの厳しい世界で、声と一蓮托生で人生を生きています。4年間、自分を絶えず変化させ続ける飽く無き努力。夢に届かない日々はどれほど苦悩に満ちたものなのでしょうか。
    自分の過去、不安、不満と向き合うなかで新たな決意を持つに至る過程は、短編ながら読みごたえがありました。渚は、きっとどこまでも挑戦を続けいくのだろうなと思いました。

  • 声優志望女性の短編小説です
    養成所に通う20代後半女性が、現実を俯瞰していて読みやすかったです
    芸能系の夢を追う厳しさを丁寧に切り取っています

    華々しく映る若手女性声優は出てこず、芽のでないフリーターしか出てきません
    後ろ暗さ展開について回り、ファンタジー感はありませんでした

    送別会で講師に食ってかかる一連の啖呵がハイライトでした
    傷つくだけ傷ついた空っぽの人間の集まりなので、全体的に虚しい雰囲気でした

    最後に主人公が自身の家庭環境に折り合いをつけて終わり、声優というよりも母子関係の総括がテーマなのかなと思いました
    岡田麿里といい、アニメ系ではこういう脚本が多い気がしました

  • プライムリーディングで読みました。声優を目指す女性の話でした。暗い話だったし、主人公の性格が悪かったな〜。

  • 21歳で声優を目指して養成所を3つ周り
    25歳になった今も目が出ず、それでも夢を諦められないでいる渚。

    夢を諦めて故郷に帰っていく仲間たちの形見わけに心を痛め

    養成所ではろくに表舞台で活躍もしていない講師に
    痛いところを指摘され、
    否定もそれを認めることもできずにいる日々。

    それでも、諦めないで努力し続けたいと思う、決意。

    夢を追い続ける覚悟と勇気。
    自分が納得するところまで、とことん。

  • 声優になりたい渚。でも、声に艶がない。幼い頃のトラウマが原因だと思う。そんな彼女の前に現れたのは、厳しい舞台俳優の講師。彼の言葉に刺激されて、渚は自分の声と向き合う。しかし、それが意外な結末を招く。声優の魅力と苦悩を描いた感動の短編小説。

    この本のテーマは、「自分の声を見つけること」。渚は他人の声を真似したり、理想の声を作ろうとしたりする。だけど、それじゃ自分の声じゃない。声優は声で表現する仕事。自分の声に自信と誇りを持たなきゃ。渚は、声のコンプレックスやトラウマを乗り越えられるか?自分の声を見つけることの難しさと大切さを教えてくれる本。

    私も声優に憧れたことがある。でも、自分の声に自信がなくて、挫折した。渚みたいに、声優になるために頑張る人は尊敬する。でも、それだけじゃない。自分の声を受け入れることも必要だと気づいた。渚が講師の言葉で、我に返るシーン。勇気がいるよね。自分の声を客観的に聞くと、良いところも悪いところも分かる。自分自身を認めることにもなる。自分の声を変えて、新しい自分を見つけたの?自分の声について考えさせられる作品だった。

    声優に興味がある人や、自分の声に悩む人におすすめの本。声優の仕事の裏側や、声の知識や技術も紹介される。でも、それよりも、自分の声というものについて深く考える。渚の物語は、感動的だけど、切ない。彼女の選択に、疑問や反発もする。この本は、自分の声に対する姿勢や価値観を問いかける。自分の声を見つけることは、自分自身を見つけること。この本を読んで、自分の声に耳を傾けてみて。

  • さっくり読める夢と葛藤

  • 努力が必ず実るわけではなく、ひとつの成功者の下にたくさんの夢破れた人がいる。その中で、その人なりに折り合いをつけて、努力し続けてもいいし、別の道に進んでもいい、と思える物語だった。
    人生色々だなぁと思った。

  • 日常生活の嫌な部分がそのまま垣間見える。

  • 何かを目指すって素敵だけど、前進している実感がないとつらい。少しでもやった感が得られたら頑張れるのに。でも、諦めたらそこで終わりだ。

  • 声優業界で藻掻く女性声優の短編。女性として生きて子を捨てた母親が嫌いな主人公は、女性らしい、甘い声を嫌悪している。でもそれが逆に刺激となり、前に進もうとしている。本当に前に進めるかは分からないし、業界は厳しいだろう。

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著者プロフィール

藤井清美 (ふじい・きよみ)
1971年生まれ。徳島県で育つ。筑波大学在学中に舞台から仕事をはじめ、映像の脚本でも活躍。近年挑戦している小説では、大学で歴史学を学んだ経験を活かし、綿密な調査と取材を強みとする。舞台では小劇場から大劇場まで多くの作品を発表。『ブラックorホワイト? あなたの上司、訴えます!』(作・演出)など。ドラマ・映画のシナリオでは恋愛ものからサスペンス、スケールの大きなアクション作まで手掛ける。「相棒」「恋愛時代」「ウツボカズラの夢」「執事 西園寺の名推理2」(以上ドラマ)、「引き出しの中のラブレター」「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」「るろうに剣心」シリーズ、「見えない目撃者」(以上映画)。小説では『明治ガールズ 富岡製糸場で青春を』「偽声」『京大はんと甘いもん』。

「2020年 『#ある朝殺人犯になっていた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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