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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (205ページ)
感想・レビュー・書評
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本書は、縄文文化の持つ深遠な世界観と、現代日本文化との密接な関係性を示した力作です。著者は考古学の権威として、縄文人の思考や生活様式に新たな解釈を加えています。
特に興味深いのは、富士山や自然への畏敬の念、食文化、数の概念など、縄文人の精神性と現代日本文化の共通点を指摘している点です。俳句の源流にも言及し、縄文の自然共生思想を継承する大切さを訴えかけています。
さらに、世界最古の土器としての縄文土器の価値を再評価し、単なる器物を超えた存在意義を論じています。縄文人の土器への想い、装飾への意味付けなど、革新的な視点から考古学の可能性を広げています。
一方で、文中に散りばめられた著者の問題提起は、縄文文化理解を一層深めるための示唆に富んでいます。私たち現代人が失いつつある縄文的価値観の重要性を警鐘しているようにも読め、大いに刺激的です。
確かに縄文は日本文化の原点ですが、より積極的に次代に継承すべき叡智が豊富に宿っていることが伝わってきます。全体として、縄文文化を単なる過去の遺産とせず、これからの日本を拓く可能性を秘めた宝の山として位置付けた好著と言えるでしょう。
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