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- / ISBN・EAN: 4522197130675
感想・レビュー・書評
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2019年1月8日の日記より。
今朝、早朝。
まだ真っ暗な時に居間に座ってたら、隣室の台所にあるラジオから曲が流れてきた。
ちっこいポケッタブルラジオで、もう半分壊れかけの……徳永英明かよ!っちゅうようなレイディオなので、当然ノイズだらけで。しかも隣室なのでガラス障子に遮蔽されてたんだけども。
間奏のピアノが薄ーく聴こえてきて、なにこれ?と引っかかったので台所に行って最後まで聴くと折坂悠太という人の『平成』という曲らしい。
久しぶりに欲しいCDができたな、とすぐに思った。
私の音楽の趣味は非常にわかりやすい。並べていくとものすごく法則性がある。ストライクゾーンが狭い。狭いから、最近は良いと思うミュージシャンがあまりいなかった。
たとえば、星野源のソロなんかでは私は首を縦に振らないから、CD買うことはないです。(好きだけど)
ちょっと違う角度の人を例に出すと、たとえば高橋優なんかだと、最初に耳にした7年前ぐらいから「良いとは思うんだけど、なんか胡散臭い」と思って、やっぱり首を縦に振らなかった。(こっちはあんまり好きじゃねえなあ)
もうちょっと違う角度だと、竹原ピストルなんかも良いと思うし好きだけど、CDを買うまでには至らん。
折坂悠太とかは、私が好きだと思うのは非常に自然で、とてもわかりやすい。
と、思う。
まだちゃんと聴いてないからわからんけども。
…
その後、2019年6月にCD購入。
私が折坂悠太の『平成』に引っかかった理由は、彼の曲の中にイースタンユースと共通するなにかを見たからだったのだが、インタビューを読むとやはりイースタンユースやナンバーガールを聴いていたとのこと。当然ながら折坂悠太とイースタンユースの音楽性はまったく違う。私は自分の耳に関してはまったく信用していないのだが、これまで音楽を色々と聴いてきて、なんとなく「わかる」こともあるもんだなあと不思議に思う(いま調べたら、共通点はニーナシモンだった。なんと!)。
良い音楽は、雑音まみれのラジオからでも、遮蔽物を貫いてでも、人間の心に届くと思う。その人の心の受信装置の、感受性の、チューニングに合ってさえいれば。
CDを聴いて、好きな曲は半分以上あり、良いアルバムだなあとは思ったけれど、100%の満足ではなかった。その時、アルバムの中で断然好きだったのは10曲目の『さびしさ』だった。この曲は、のちに石橋静河出演のサントリー天然水のCMに使用された(2021年4月より)。
このことからさらに考えて、宇多田ヒカルの2016年のアルバム『Fantôme』のことを思い出した。つまりどういうことかというと、多くの人が評価するミュージシャンやアルバム(=ポップスの重要な点)は、私が聴いても完全に良いとは思えないんじゃないのか?と。ここまではだいぶ前に思ったことで、昨年音楽マニアの友達にも語った。
…
時は流れ、2022年4月。なう。
コロナ禍以降、丸2年ほどまーったく音楽を聴く気になれず過ごしていた。近年のサブスクにもまったくついていけない。昔から音楽を聴きたくない時期がたびたびある。そういう消費の仕方に嫌気がさしたり、やかましいのが嫌だったり、心境の変化だったり、ただなんとなくだったり、理由は様々。そんな時は作られた音楽よりも、自然や街の、環境の雑音を聴いて過ごす方がよっぽど良い。
久しぶりに音楽を聴く気になったので、このアルバムをまた聴いてみた。久しぶりに聴くと、以前より良い。良い意味で、嫌な汗をかいた。そういう質感はこのアルバムには確実にあると思う。
このアルバムはたいへん評価されて、CDショップ大賞〈青〉(新人賞)を受賞。これはなんとなく知ってたけど、ミュージックマガジンで2010年代の邦楽アルバムでも1位だったそうだ。昨2021年のことなのでこれは知らなかった。
折坂悠太の声、下世話な言い方をすればくるりの岸田繁と、森山直太朗と、あと小田和正を足したような感じです。書いてみて我ながらだいぶ酷いなと思った。
折坂悠太は宇多田ヒカル、くるり岸田、アジカンのゴッチ、三浦大知、最果タヒらから支持されているそうだ。私個人の感覚だと、いま挙げた人たちよりも断然良いと思うし、好きです。星野源よりも好き。しかし二階堂和美よりは好きじゃないという序列になってしまう。二階堂和美の『にじみ』はぶっちぎりの100%の好きなアルバムだったからしょうがない。
というわけで私は★4評価でこれ以上は上がらないけれど、多くの人にとっては確実に「絶対に聴いて損しないアルバム」だと思います。Amazonミュージックなどにもあるので、お薦めしやすい。私は使ってないけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
躍動感がすごい。今話題の山崎まさよしっぽいけどなw
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レトロな感じもありつつ、おしゃれに音を取り入れているようなサウンドが心地良い。
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最新版ノスタルジー。なぜこうも懐かしさ、哀愁を感じるのか。それと共に最新の音楽も同時に感じる。音の温かさ、音色の配置・バランス、ミックス、ボーカル、全てが心地良い。