往生要集 全現代語訳 (講談社学術文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  現代語訳ではあるのだが、自分の理解力ではかなり難易度が高かった。と言うのも源信僧都が突き詰めた問答を展開されていて、似たようなことが繰り返されているようにも思い、でもそれこそが源信僧都が求めて行かれたことなんだろうと思った。『往生要集』といえば地獄と思っていた浅学であるが、大乗の教えに向き合った書だった。
     本当に難しく、ゆっくり読んでいたが全体を理解できたとは思えない。ただ、書かれている一つ一つに頷くことがあるということだけだった。
     そういう感じで字面を追うのに精一杯で読み進めてきて、最後頭を殴られたような衝撃の言葉が待っていた。

    ”まさに謗りを生ずることもまた結縁であるとしるべきである。私が持ち道を得たならば、願わくは彼を引摂しよう。彼がもし道を得たならば、願わくは私を引摂せよ。ないし菩提に至るまで、互いに師弟となろう。”

     今まで書いてきたことを謗られても良いと。道を得たものが引摂して、共に・・・という言葉。ずっと読んできたことの奥底にあった源信僧都の思いに触れた気がして涙が出た。大乗の教えを本当に突き詰めているんだ!こんなこと自分は思えない。でも現にこうやってひたすら考えていた人がいた。そしてこの人がいたから法然上人、親鸞聖人が浄土教をさらに深められていったのだ。
     この読書経験は読まないと分からないと思う。すごくよかった。ありがとうございますという想いが溢れてきた。
     現代語訳で読みやすいだけでなく、後に解説がついている。ここを読むことで理解が更に深まるのでとても良い構成。ぜひ、最初から読んで最後に巻下末で源信僧都の思いに触れてもらいたい。

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著者プロフィール

942-1017。天台宗の僧。恵心僧都。大和国に生まれ、比叡山で良源に師事。日本浄土教の祖。

「2018年 『往生要集 全現代語訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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