カササギ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 古典的な探偵もの。
    堅苦しい探偵と気さくで冴えない助手のコンビ。片田舎のお屋敷での殺人。馴染みの警部が担当している事件で、主人公達は否応なく巻き込まれて捜査にあたるが…という黄金パターン。
    ただし、主人公の凄絶な経歴と待ち受ける運命が特徴的だ。
    様々な伏線が張り巡らされ、「謎は解けた!」というところで上巻は終わる。まるで「続きはCMの後で!」というバラエティ番組のよう。

    「商売上手だなあ」と思って下巻を手に取ると…?

  • なるほど…
    個人的に、警視の「殺人犯に碌な人間はいない」語りと「登場人物の名前は大事」のくだりが好き

  • 全体を通して何かが足りない、、、と思って読んでいたのだが、上巻を読み終わって分かった。謎は多いが平穏でスリルが無いのだ。脅迫や差し迫る殺意が現れない。下巻に期待する。

  • なにか夢中で読み進められる本が読みたくて買ってみた。登場人物が多くて、覚えるのに苦労した。

  • 評判が良いので手に取った。作中作になっていて2つの殺人事件が起きる。ひとつは密室で起きた事故に見えるもので、ひとつは犯行時間が限られている明らかな他殺もの。ひとつ目の犯人を名指ししたところで終わったが、これからどうなるのだろうか。

  • 1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理は――。現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ作品!名探偵アティカス・ピュント・シリーズ最新刊『カササギ殺人事件』の原稿を読み進めた編集者のわたしは激怒する。こんなに腹立たしいことってある? 著者は何を考えているの? 著者に連絡がとれずに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想だにしない事態だった――。クラシカルな犯人当てミステリと英国の出版業界ミステリが交錯し、とてつもない仕掛けが炸裂する! 夢中になって読むこと間違いなし、これぞミステリの面白さの原点!

    本作は、名探偵アティカス・ピュントがイギリスの片田舎の屋敷で起こった変死事件とそれに続く殺人事件を解き明かす上巻と、シリーズ作者アラン・コンウェイの新作『カササギ殺人事件』の結末と作者の自殺に疑問を持った女性編集者が謎を追う下巻の2部構成である。上巻の章題は、カササギの数え唄を模した「一羽なら悲しみ、二羽なら喜び。三羽なら娘、四羽なら息子。五羽なら銀で、六羽なら金。七羽ならそれは、明かされたことのない秘密」であり、各部が「悲しみ」「喜び(ジョイ)」「娘」「息子」「銀」「金」に対応し、「明かされたことのない秘密」が欠落したまま下巻へと続く。作者は、未だ誰も挑んだことのない作品を目指し、構想から完成まで15年を要したと語っている。また、作者は『名探偵ポワロ』の脚本家としての経験を持ち、本作はアガサ・クリスティへのオマージュ作品でもある。

    あらすじ
    1955年7月、サマセット州の片田舎にあるパイ屋敷で、家政婦メアリ・ブラキストンが不慮の事故で亡くなり、その葬儀が執り行われた。彼女は屋敷内で階段から転落し、庭園管理人ネヴィル・ブレントによって発見された。事件は事故として処理されたが、彼女の息子ロバートとの公然の口論が原因で、彼が犯人ではないかという噂が広まっていた。この噂に悩まされたロバートの婚約者ジョイ・サンダーリングは、名探偵アティカス・ピュントに相談を持ちかけるが、彼は事件性がなければ関与しないと断る。しかし、その後パイ屋敷で主人サー・マグナス・パイが殺害され、アティカスはこの二つの死に関連があると考え、調査を開始する。

    メアリ・ブラキストンは村の人々の秘密を日記に記しており、彼女の死を歓迎する者もいた。一方、マグナス・パイは広く嫌われており、多くの人物が彼の死から利益を得る立場にあった。その中には、遺産を相続する妻フランシス、追い出された双子の妹クラリッサ、解雇されたブレント、土地売却に反対する牧師などがいた。

    さらに、メアリの葬儀に現れた彼女の元夫マシュー・ブラキストンから、彼女の次男トムの犬が殺されたことやトムの溺死についての情報を得たアティカスは、事件の真相を解明し、メアリの死の真犯人を特定する。

    一方、アティカス・ピュントシリーズの作者アラン・コンウェイの新作『カササギ殺人事件』の結末が失われ、彼の自殺に疑問を持った編集者スーザン・ライランドは、真実を追求することになる。

    登場人物

    上巻 - 1955年の英国、サクスビー・オン・エイヴォン村

    アティカス・ピュント:ドイツ人の名探偵。余命わずか。

    ジェイムズ・フレイザー:アティカスの助手兼秘書。オックスフォード卒。

    サー・マグナス・パイ:准男爵。自宅前の森の開発で村人と対立。

    レディ・フランシス・パイ:マグナスの妻。浮気中。

    ジャック・ダートフォート:レディ・フランシスの浮気相手。

    フレデリック(フレディ)・パイ:マグナスとフランシスの息子。横柄な性格。

    クラリッサ・パイ:マグナスの双子の妹。教師。村人から軽んじられている。

    メアリ・エリザベス・ブラキストン:家政婦。ゴシップ好きで煙たがられる。

    マシュー・ブラキストン:メアリの元夫。電気店経営。

    ロバート(ロブ)・ブラキストン:メアリの長男。自動車修理工。

    トム・ブラキストン:メアリの次男。故人。

    ネヴィル・ジェイ・ブレント:庭園管理人。陰気な独り者。

    アーサー・リーヴ:銀メダル収集家。メアリの友人。

    ロビン・オズボーン:牧師。秘密を抱える。

    ヘンリエッタ(ヘン)・オズボーン:ロビンの妻。

    エミリア・レッドウィング:女医。メアリの遺体を発見。

    アーサー・レッドウィング:エミリアの夫。画家。

    エドガー・レナード:エミリアの父。元医師。

    ジョージー(ジョイ)・サンダーリング:ロバートの婚約者。診療所勤務。

    ジェフ・ウィーヴァー:墓掘り。

    ダイアナ・ウィーヴァー:ジェフの息子の妻。盗難関連の疑い。

    ジョニー・ホワイトヘッド:骨董屋。過去に窃盗団の一味。

    ジェマ・ホワイトヘッド:ジョニーの妻。

    レイモンド・チャブ:警部補。

    下巻 - 現代の英国、ロンドン及びその周辺

    スーザン・ライランド:《クローヴァーリーフ・ブックス》編集者。下巻の主人公兼探偵役。

    チャールズ・クローヴァー:《クローヴァーリーフ・ブックス》CEO。

    ジェマイマ・ハンフリーズ:チャールズの秘書。

    アラン・コンウェイ:ミステリ作家。『カササギ殺人事件』の作者。

    メリッサ・コンウェイ:アランの元妻。

    フレデリック・コンウェイ:アランの息子。

    クレア・ジェンキンズ:アランの姉。原稿仕上げに協力。

    ジェイムズ・テイラー:アランの同性の恋人。

    アンドレアス・パタキス:スーザンの恋人。ギリシャ人教師。

    ケイティ:スーザンの妹。

    マーク・レドモンド:映像関係のプロデューサー。

    ジョン・ホワイト:ヘッジファンド・マネージャー。

    トム・ロブスン:牧師。アランの葬儀で説教。

    ドナルド・リー:ウェイター。元作家志望。

    リチャード・ロック:警視。スーザンに非友好的。

    サジッド・カーン:弁護士。アランの遺言状に関与。

  • ファーザーブラウンが登場しそうな美しい英国の田園風景を背景に、淡々と事件が解き明かされつつ、という感じです。一体、何人が事件に関わるのかと、登場する人数の多さに戸惑いつつ、読んでおります。後半はどのように展開するのか想定を超えた物語になりそうという期待感多々あり、★四つであります。

  • 上巻はただ昔のイギリスで起こったありがちな殺人事件。
    派手なことも起こらないし、探偵が魅力的でもない。
    が、最後「えっここで終わるの?」というところで終わり、下巻からがこの本の面白いところ。

  • 1950年代の小説の中の殺人事件。時代背景や登場人物の関係性を見極めて事件の全容を把握するのに時間がかかった。読むのがかなり苦しい。
    上巻終了間際に話が分かり始めて面白くなってきた。でも事件の解明はされていない。下巻が面白いと聞く。期待しよう。、

  • 面白かったよー! 最初はなかなかな読み続けられなかったけど、終わりの方は夢中で読んだ! そしていいところで区切られてた><。続き、気になる><。

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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