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感想・レビュー・書評
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シモーヌ・ヴェイユのテクスト7篇を収めたアンソロジー。「『グリム童話』における六羽の白鳥の物語」、「美と善」、「工場生活の経験」、「『イーリアス』、あるいは力の詩篇」、「奴隷的でない労働の第一条件」、「神への愛と不幸」、「人格と聖なるもの」。思っていたり読みやすかったです。全てを理解したかと言えば決してそうではないですが、解題も併録されているので、それぞれのテクストを理解して咀嚼する手助けにはなります。一番実感を伴って読むことが出来たのは彼女自身の体験を下敷きに書かれた「工場生活の経験」。今日の労働者が置かれている環境となんら変わらない、もしくはより劣悪な環境に労働者達は取り巻かれているなと感じました。また再読したい本。
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本書は題名にアンソロジーとある通り、さまざまな断片によって成っている。私はシモーヌの本は、『工場日記』、『根を持つこと』に続いて三冊目である。工場日記で、彼女の本にはまったものの『根を持つこと』では難しくて挫折。そのあとの本書であった。ところどころ難解に感じる部分もあったが、息を呑むほど面白く、全体としては非常に良い本だった。本書で紹介されていた『ギリシア悲劇』や、ラシーヌ、シェイクスピアの『リア王』は、読んでみたくなった。次につながる本としても、良い本だった。
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