「自然」という幻想:多自然ガーデニングによる新しい自然保護 [Kindle]

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  • 「手つかずの自然」と人が言うとき、基準となるのはどの時点の自然なのか、アメリカ大陸にヨーロッパから人が来る前か?いや、その頃にも原住民が自然を相手に、狩りをするなど、自然に働きかけて暮らしてきたのだから、それより前なのでは?とか。
    外来種は一律悪者なのか。在来種がどんどん減少してしまった後に外来種の存在が、その在来種を頼りにしていた生物の助けとなることもある、とか。
    「保護されるべき自然」とそうでない「自然」とを切り分けることは妥当なのか。などなど、これまで私は突き詰めて考えたことがなかったようなことが書かれていて、刺激的だった。

    誰それのこんなプロジェクトがあって…という記述が続くと、ちょっと飽きてしまって、なかなか読み進められなかったけれど。

    人が手を加えようが加えまいが、植物は芽吹き、根を張り、繁殖し、他を淘汰し、その末に減少して姿を消していく、というサイクルを繰り返すこともある。

  • 本書はまず、US,AUS,NZなど入植者により開拓された国を事例として手付かずの自然という発想の不自然さを説く。ヨーロッパがその地を「発見」するより前からその土地、自然は人の手が入り、利用されていたのだ。また生き物は昔から時代と環境の変化に応じて住処や生態を変えてきた。外来種も本当に有害なものは少ないので、全て駆除する必要はないと。また自然とは森や山と言った壮大なものだけでなく都市の庭や街路樹も立派な自然でありそうしたものの価値を過小すべきてないとも。現代式の共存のあり方を模索提言していてなるほどと思った

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著者プロフィール

エマ・マリス(Emma Marris)
サイエンスライター。自然、人々、食べ物、言語、書籍、映画などについて執筆。数年間記者として勤務していたネイチャー誌のほか、ナショナルジオグラフィック、ニューヨークタイムス、ワイヤード、グリスト、スレート、オンアースなどの雑誌・新聞に寄稿している。ワシントン州シアトル出身、オレゴン州クラマスフォールズ在住。

「2021年 『文庫 「自然」という幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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