マハーバーラタ 第三巻 [Kindle]

  • グーテンベルク21
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  • 寛容な人間は磨々それが弱い性格のためだと思われ勝ちです。しかしその性格を欠点としてあげつらってはなりません。 寛容は大きな力であり、弱者にとっても強者にとってもそれは誇るべきものなのですから。寛容によって達成できぬことがこの世にありましょうか?柔和という剣を 持った者に邪悪な人間が何ができるでしょう? 荒地で燃えた火はひとりでに消えてしまいますが、不寛容の毒はさまざまの大きな欠点によってその人自身を汚します。 貧しいのに欲望が一杯で、力もないのにやたらに怒りっぽい人、已れの務めを果さ ぬ一家の主人と、やたらに忙しがる乞食、といった取り合せは碌なものではありません。たとえ偉大な王であっても、思慮分別に乏しいもの、事を不必要に遅らすもの、怠け者、おべっか者、この四者は遠ざけるべきです。

    口から放たれた言葉の矢は、それに当った人の心を日夜疼かせるでしょう。それは 心の奥に深く突き刺さっているからです。ですから賢明な人はそのような矢を他人に 向って放ったりはしないものです。

    悪習に耽り、貪欲で、恥を知らず、邪まな心を持った人間との付き合いは避けねばなりません。その他もろもろの邪悪さを有する者、友愛の心に欠ける者は、自分より下のものへの温かい感情を失います。そういう温かい気持こそが幸せを生むのです。ねじ曲った心の持主は、かつての友の悪口をいい、傷つけて楽しみます。賢明な人間はこのような連中に巻きこまれぬよう十分に距離をおくものです。

    忍耐は成功の元であり、忍耐強く日的を追求し、日的の実現にいかに長い時間が掛ろうとそれを恐れぬ人こそ偉大であり、永遠の幸福を得るのです。本当に強い人間が常にどこでも寛容に振る舞うことこそ繁栄を生む最上の方法だとわたしは信じます。弱者はだれをも許してしまいますが、真の強者は徳のために許します。日的の遠成も不首尾もどちらでもいい人はいつでも許してしまいます。

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