- Amazon.co.jp ・電子書籍
感想・レビュー・書評
-
初作家さん。とても良かった。思わぬ収穫でした。
ファンタジー要素って個人的にかなり賭けなので、期待せずに読もうと読んでたら好みど真ん中な使い方で、更に話もど真ん中でほんとに、とっても良かった…。
運命の赤い糸が見えるし切れる、という話。ファンタジーが話の核に来ちゃうのは苦手なんです。なんでもありじゃん、って思っちゃうので。そうじゃなく、あくまで要素は要素、話のスパイスで、メインはちゃんと人と人の繋がり、自分で考えて、向き合って、大事なのは人の気持ち。そこがちゃんと核に据えられていたので、そしてその話がとても良かったので、良かったです。
糸が見えるし触れる代償として、自分には糸が存在しない主人公。人を好きになっても大事な人が出来ても、自分に糸がないから他の人と繋がって皆去っていく。会話の中でさらりとしか描かれなかったけど、読んでいてきついなと思いました。それを何度も味わって、諦めて人と浅くしか付き合わなくなって、そんな中で出会ってしまった相手との話。今、両想いでも会うたび相手の指を確認して、いつか別の誰かと繋がる日が来るのを怯えて過ごす恐怖。これをどう解決するのか、どう乗り越えられるのか、答えなんてあるのかなと思いながら読んでいました。
でも原さんの言葉に、あぁそうかと。読んでるうちに主人公に同調してしまって、私も袋小路に入っていた。ここからやっと、もう一度信じてみようと踏み出す終わりでした。思わずほろりと零れてしまった。
糸が見える見えないは関係ない、努力なしに繋がる気持ちなんてないんですよね。続けていくために、皆努力している。そんな当たり前の事が、見えなくなったり。でもそれだけの辛さはあった。原さんはその分べったべたに甘やかして幸せにしてくれそうだから良かったです。
というわけでめちゃくちゃ包容力大な攻、でもちょと抜けててかわいかったり、わんこみたいだったり、ふたりとも笑顔がかわいいし、幸せそうな表情がかわいいし、表紙は苦手な絵かもって1回ためらったけど、中の絵はむしろ好きでした。キレイだしかわいいし表情が良いし、手が好き。主人公は軽薄そうな見た目なのにずっとどこか優しい表情で、惹かれる表情が多かったです。
続編は即読んだし、スピンオフ元も読んだけど表紙で損してる気がしました。
この1冊だけでも完結してますが、続編もとっても良かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スピンオフ。
本編は読んだけど、イマイチ記憶になくて。探して読まないと分からない。
赤い糸が見える、かつ他の糸も見えて縁切りすることもできる神沢。
自分には赤い糸がなくて、好きになった人は運命の人と結ばれてしまう。ドンドン好きになっていくのをやめたくて、原の前から消えてしまうけど、偶然会った双子の兄によって再会。赤い糸より、神沢を取った。