カッコーの歌 [Kindle]

  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • 『嘘の木』も面白かったけれど、わたしはこっちのほうが断然好きだ。ホラーっぽい描写にゾクゾクしたし、異形の者が疎まれ追放される逃走劇という、これはわたしが小学生のときに愛読し、胸を打ち震わせた『七瀬ふたたび』のパターンで、解説にも書いてあったけど、子どもの頃に夢中になって本を読んだときの感じがよみがえった。以下好きなディテールを忘れないように:
    *偽トリスがあんなものやこんなものまで食べてしまう場面
    *ヴァイオレットの周りが寒くなっちゃうところ
    *変な呼び名 「嘘トリスのほんと泣き」っていうペンの台詞が最高に好きだ。
    *読者へわかりやすく伝えるというより、著者が自分の好きなように比喩を書き連ねているところ
    読んでいると、目の端をさっと映像がよぎる感覚も心地よく、これはアニメや映画で観たいなあとも思ったけれど、たとえばジブリとかティムバートンとか既存のイメージにはまってしまうのももったいない気がしないでもない。

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