タテ社会の人間関係: (講談社現代新書)

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  • Audible Studios (2019年1月25日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 毎週聴いているラジオ番組「武田砂鉄のプレ金ナイト」で紹介されていて興味を持ちAudibleで聴いてみる。
    自分の属する組織のあり方やそこでの人間関係について思い当たることが多くあった(会社でのマネジメントや教会の人間関係など)。
    本書を通じてインドと日本の比較がよく出てくる。インドはカースト制度により息苦しい印象があるが、本書ではむしろ日本より集団のルールが明確でサバサバしているという描かれ方をしていて意外だった。
    場の社会/資格の社会という軸と、タテ社会/ヨコ社会という軸で日本や諸外国を分析しているが、この二軸の関係がよく分からなかった。日本は場の社会でありタテ社会とされるが、場の社会=タテ社会、資格の社会=ヨコ社会ということだろうか?だとすると、血縁関係を資格としつつ、日本の宗教が教義ではなく親から子への継承を重視することにタテ社会の特徴を見るのは矛盾するように思った。
    日本人は人間関係において直接接触を重視するが、資格社会の国では直接合わなくても同資格者のネットワーク意識が常にあるというのは面白い(羨ましい)と思った。
    どちらの社会が優れているというものではないという建前で書かれているとは思うが、個々の記載は日本社会に批判的なものが多く、読んで(聴いて)いて日本社会が嫌になってくるところはある。学者である著者の、人間関係や序列重視で論理的議論ができない日本組織への不満が強く出ているような気がする(個人的には非常に共感できるが)。この日本社会にいながら、国際的に通じる人間になったり組織を作ったりすることはかなり難しいのではないかと思ってしまう。

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