- Amazon.co.jp ・電子書籍 (276ページ)
感想・レビュー・書評
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その時代、時代によってある一人の人間の評価は変わる。当の本人は、ただ自分の信念に忠実に、その時をがむしゃらに生きているだけなのに。
モリさんの妓楼の話を読んだときは、私の鼻腔にはアフリカの土の匂いとそこのホテルでの記憶がノスタルジックに思い出された。
People change one person's reputation as the world float. He or she is just doing his/her best at that time, though.
When I read Mori-san's geisha story, I reminded Africa's soil smell and hotel there. -
文体がなめらかですいすい入ってくる。シンプルに削ぎ落とされ簡潔で読みやすいながらも、短いセンテンスの中に溢れるほどの情報量がある。表現が的確なので自分の体験してきた感覚が蘇ってきて瞬時に主人公の感覚に同調できる。中盤サスペンスフルな興奮があったのも、一歩引いてみれば全く何でもないことで、ただ主人公に同調してしまってるからこその焦りとか不安とか、そういうのが感覚になって表れたのかなと。身近な人々の反応と、それに対処する主人公のやり取り自体がリアルタイムではなく主人公が後から回想しているというのがとてもいい
回想という形式だから、リアルタイムで起きている主人公の脳内の反応がちゃんと順序だった文章になっている。それに対する自己解釈もいい。 読んでいて感情移入を超えて共感してしまう。自分の中にあるものが小説を通じて第三者的な視点で改めて感じられる。めちゃくちゃ良かった。「日の名残り」も良かったし、これも良かった。カズオ・イシグロめちゃくちゃ良い -
一人称の語りに予防線的な言葉がたびたび挟まれていてリズムが悪く、全体的な文章のテンポも平板で読んでて眠たくなってしまった。
テーマ的にはともかく文章技巧的に自分の肌に合わなかった。 -
・貧しい村ですることがなく虫をいじめていた子供たちをモデルにして勇ましい兵士の国粋主義的な絵を描いたところに主人公の欺瞞性があると思う。あとは結果重視主義的なところが
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イシグロ作品を読んだことのない人に一番最初にオススメするとしたら本作かな…
小津映画を観ているようなそんな錯覚に陥るストーリー。
細かいことは全く説明しないので、その辺を有耶無耶にされるのが嫌な人は読むべきではない。 -
日本生れのノーベル賞作家の新進時代の出世作。戦争前・中の日本の芸術家達の政治との関わり合いの苦悩を描く。
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以前に読んでいた!
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ロスト感が堪らなくいとおしさと切なさを感じさせる作品。
この作家の文章は知的で好きだ。