管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう [Kindle]

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  • 技術評論社
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感想・レビュー・書評

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  • Joy, Incと合わせて読むと良い。

  • 考え方
    人を育てようとするのではなく育つ機会を与える
    会議は報告ではなく議論をして仕事を進める場
    仕事のレベルは自分のタスク管理〜リソースの管理〜価値を生み出す、の3段階

  • マネジメント、組織・人事管理のあり方を学べる本です。
    環境変化が激しく、判断の難しい場合が増えた現代では、従来からのマネジメント、組織管理の手法では問題が解決しないことも増えているようです。
    筆者自身の経験も踏まえながら、これからの時代に合ったマネジメント、組織管理の考え方、やり方が紹介されています。
    今ある状態を「見直す」「なくす」「やめる」という引き算のアプローチで、信頼を築くと、メンバーが自主的に考え、動くようになることがわかります。
    経営層、管理職の方が問題解決のヒントを得られるだけでなく、それ以外のビジネスパーソンの方も、自分がこれからの時代にどう考え、動くべきかを考えるために使える1冊ではないでしょうか。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
    「『時間対効果』の高い成果を出す。ポイントはいくつかある。気合や根性ではなく、『そもそも』からゴールを再設定して楽をする。『やったほうがいい』ことはしない。100%は目指さない。お金で解決できることにはお金を使う。抱え込まずにさっさと相談する。」
    →費用対効果ではなく時間対効果。時は金なり、という言葉は、使い古されるだけの理由があります。
    「育てるのではなく、育つ環境を与える。師匠が背中を見せる(やってみせる)、チャレンジする仕事を与える(やらせてみる)、『ワークレビュー』で自分で考える力を身につける(フィードバックする)、の3つが必要。」
    →組織管理、社員育成だけでなく、自己啓発、セルフマネジメントでも使える考え方です。
    「お金をかけずに知ってもらうには、情報発信にも工夫が必要。顧客が探しているのは、商品ではなく、問題を解決してくれる情報。『なぜ、その商品・サービスが必要なのか』というそもそもの問題提起や、その業界にまつわる役に立つ情報を発信するほうが、見つけてもらいやすい。」
    →マーケティングの基本的な考え方ですね。「人はドリルを欲しいのでなく、穴を開けたいのだ」という例えが有名ですが、何が望みかの本質を考え続ける必要があります。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・判断の難しい現代の仕事において、コマンドコントロール型のマネジメントでは、上司やマネージャーがボトルネックになっていた。
    ・信頼関係さえしっかりと築くことができれば、管理しなくても、管理していたとき以上に責任感を持ってきちんと仕事に取り組むし、個々の主体性も増した。指示されて働くより、自分ごとにして圧倒的に楽しく働いてくれるようになった。社員が自律的に楽しく働くだけで、顧客からの評判も上がり、新規事業が勝手に生み出され、想像以上の成果が出た。自分で判断することでスピード感も増し、生産性が上がった。
    ・第1段階:生産的に働く(楽に成果を上げるために見直す)、第2段階:自律的に働く(人を支配しているものをなくす)、第3段階:独創的に働く(常識や慣習に従うことをやめる)の3つの段階を踏み、長い期間かけていく必要があった。
    ・なるべく楽にして成果をあげる、自律性を与えて自由に働く、他者と争わない独自のスタイルを見つける、と段階的に変えていく。そのために、今ある状態を「見直す」「なくす」「やめる」という引き算のアプローチが必要。勇気はいるが、可能性はゼロではない。

    ○生産的に働く-楽に成果をあげるために“見直す”
    ・ふりかえりで、業務の進め方や仕事のやりかたを見直す。業務そのものを見直すのは、進捗会議など別の場になる。①よかったこと、悪かったこと、次に試すことの3つの領域をふりかえる、②とにかく全員で出し切ることを優先、③精神論でなく具体的なアクションへの落とし込み、④週1、1時間から始める、の4つがポイント。継続すると、チームに改善の意識が定着する。
    ・「時間対効果」の高い成果を出す。ポイントはいくつかある。気合や根性ではなく、「そもそも」からゴールを再設定して楽をする。「やったほうがいい」ことはしない。100%は目指さない。お金で解決できることにはお金を使う。抱え込まずにさっさと相談する。
    ・取りかかる仕事を大きい単位のまま扱うと、さまざまな問題が起こる。①目的とゴールの確認、②要素の分解、③見積もり、④優先順位の確定、の4つの工程にタスクを分解する。自分が見ても他人が見ても進捗状況がわかりやすい。優先順位がわかり、無駄なことをしないでいい。時間のかかりそうな部分などリスクへの備えができる。タスクを進めるのではなく消化して、仕事を終えていくようにできる。
    ・やる気をなくさないためのコツがある。作業ではなく、自分の創意工夫ができる仕事を任せる。仕事の全体像と目的を伝える。「仕事の依頼」ではなく解決の自主性がある「問題の相談」をする。社会にとって意義がある事業をする。仕事の結果にはフィードバックする。ちょっと難しいことに挑戦してもらう。そもそもやる気に頼らない仕組みを作る。
    ・チーム内の気軽なコミュニケーションや、不安なく仕事に取り組めるために必要な「心理的安全性」を高める。リソースではなく、人間として見る。ふりかえりができれば失敗してもいい。信頼関係は少しずつ築く。一貫性を持ちつつ、論理の上に感情を乗せる。情報格差をなくす。互いの価値観や人生観も共有する。心理的安全性を高めるための議論をする。
    ・雑談をすると、話しかける心理的ハードルが減り、ホウレンソウの隙間も埋めてくれる。雑談と仕事の場所をツールで分けない、社内で起きている雑談の様子を見える化する、定期的に雑談する機会を作る、という3つがポイント。

    ○自律的に働く(人を支配しているものを“なくす”)
    ・成果をあげるために、自分の頭で考えて、自分が責任の取れる範囲で、自分が決めていく、というのがセルフマネジメント。自由であることの裏返しで、セルフマネジメントを身に付けているから自由でいられる。仕事(進め方、価値の出し方)・組織(周囲との協調性やコミュニケーション)・自分(健康、考え方)の3つの領域で、3つのレベルがある。レベル1は、タスクを管理する、周囲に伝える、休息をとる。レベル2は、リソースを管理する、周囲と強調する、安定して働く。レベル3は、価値を生み出す、周囲を生かす、将来を考える。
    ・セルフマネジメントができる人材を採用段階で見極めるポイントは、①今の仕事を辞めてから応募にチャレンジしようという方は危ない(落ちた場合のリスクマネジメントができていない)、②面談の中でこちらが期待していることを答えようとする(自分の考えを持っている人がいい)、③採用の面談で一方的に判断してもらうのを待ってしまう(会社側といっしょに考えていける人がいい)、④入社をゴールに設定している(その人のビジョンを叶える場所や機会でありたい)、の4つ。
    ・育てるのではなく、育つ環境を与える。師匠が背中を見せる(やってみせる)、チャレンジする仕事を与える(やらせてみる)、「ワークレビュー」で自分で考える力を身につける(フィードバックする)、の3つが必要。

    ○独創的に働く(常識や慣習に従うことを“やめる”)
    ・お金をかけずに知ってもらうには、情報発信にも工夫が必要。顧客が探しているのは、商品ではなく、問題を解決してくれる情報。「なぜ、その商品・サービスが必要なのか」というそもそもの問題提起や、その業界にまつわる役に立つ情報を発信するほうが、見つけてもらいやすい。
    ・ブログは、書いた記事が資産になり、記事を書けば書くほど価値が高まり、よろ多くの人から知ってもらう入口が増える。読者にとって価値を感じてもらえるだけの内容とボリュームの記事でないと、ひとかどの専門家と思ってもらえないので、しっかりと頭と時間を使う。
    ・新規事業は、部活のような位置づけにしてみると、利害関係を超えて始められる。始める前に成果を予測できないことが多く、努力に関わらす失敗することも多いし、偶然や縁を大事にして、ときには閃きで動くことも求められる。取り組みが遊んでいるようにも見えるところもあり、既存事業の社員からの目線に居心地の悪さを感じてしまうと、妨げになる。
    ・会社に期待されているのは、①経済的な価値を生むこと、②よりよい社会にするために貢献すること、③その組織で働く人を幸福にすること、の3つだが、③を優先して経営する。優秀な人が高い意欲を持って働き続けてくれることは、会社にとっての経済的な価値に直結する。

  •  
    ── 倉貫 義人《管理ゼロで成果はあがる「見直す・なくす・やめる」
    で組織を変えよう 20190110 技術評論社》kindle
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B07MSDRMM6
     
    (20211129)
     

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著者プロフィール

株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。

「2023年 『人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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