暗号通貨VS.国家 ビットコインは終わらない (SB新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 単なるブロックチェーン・暗号資産周りの紹介にとどまらず、技術面と思想哲学的側面とを行き来する、非常に知的好奇心をくすぐられる良書だった。ビットコインのフォークの経緯についてざっくりと知れたのは良かったし、プルーフ・オブ・ワークについても本書でようやく理解することができた。願わくばイーサリアムの仕組みについてももう少し掘り下げていただけると個人的には良かったと思うが、これを好機として自身で調べてみようと思う。

  • 暗号通貨(主にビットコイン)に関する入門書。
    自分にとってはそんなに真新しい内容は無かったが、以下の点は面白かった。

    ・ビットコインには「世界から戦争をなくそう」という意思が添えられている。=国家の発行する法定通貨のように自由に発行したり国債を発行したりができない=戦争には莫大な資金が必要なため、ビットコインが法定通貨よりも存在感がある社会では戦争が成り立たなくなる。


    〇その他
    ・徴税と暗号通貨の相性は悪い。匿名のアドレスで管理されるため個人の特定が難しいため。=法定通貨にとって代わることはできない。

    ・「中抜き業者」を介在させないことがP2Pの目標のひとつ

    ・ビットコインのマイニング作業は「メガ数独」

    ・マイニング作業において、ビットコインのブロックが枝分かれすることがあるが、それ以降長く続いた枝が正当となる。(=長く続いた方が正規ルートなので、他の人はマイニングを途中でやめてでも正規ルートの次ブロックのマイニング作業に切り替える)

    ・実際には怒らないが、もし仮に枝分かれしていたチェーンが長く伸びていき、のちにメインチェーンとなった場合、今までのメインチェーンの記録はすべてなかったことになる。(さっきまであったビットコインがなくなったり、使ったはずのコインの使用履歴が消える)
    ※ひとつのマイニング事業者が全事業者の51%以上のパワーを持った場合、これが起こりうる

    ・「ナッシュ均衡」・・その状態を維持することがすべての人にとって利益となる状態。

  • 暗号通貨を題材に通貨の本質やビットコインの仕組み、コミュニティ界隈の動きを説明。なぜこのような仕組みにしているのか、なぜその仕組みで問題ないのかを根拠を示して説明しているのでなるほどと感心する。軽妙な語り口の文章で非常に読みやすい。おススメの1冊です。

  • サトシナカモトとビットコインの凄さ(徹底した分散)をしれただけで有益だった。坂井さんは暗号通貨に肯定的(というかよく知らずに否定的な方々に否定的)。私自身、よく知らずに否定的な感覚をもっていたので、その可能性に気付くことができて良かっです。

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著者プロフィール

慶應義塾大学教授

「2017年 『大人のための社会科 未来を語るために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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