- Amazon.co.jp ・電子書籍 (383ページ)
感想・レビュー・書評
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○両利きの経営とは、知の「探索」と「深化」のこと。
知の探索:自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くを認知しようとしていくこと
知の深化:自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深掘りし、磨き込んでいくこと
既存事業の深化と、新規事業の探索が企業生き残りに不可欠。
両利きの経営が行えている企業ほどイノベーションが起き、パフォーマンスが高くなる傾向は経営学の実証研究で示されていると。
「成熟企業にとっての永遠の難題は何か。中核事業を維持しながら、同時にイノベーションを起こし、
新たな成長を追求していくことである。本書は、それに対する洞察に満ちた解決策を提供してくれる」
――クレイトン・クレイテンセン(ハーバード・ビジネス・スクール教授)※イノベーターのジレンマ著者
○既存事業を伸ばしつつイノベーション(事業開発)するには
当たり前なことが書いてあった印象。目新しいことはあまりない。
・新規と既存はオペレーションが違う。それぞれを独立させるべき
・イノベーション歓迎の文化醸成を心がける
・探索と深化の得意な2人は必要。チーム人数はピザ2枚の法則で充分
・深化と探索での異なる調整が必要
・おおよその企業は探索ができない。探索できる人材は超貴重
・経営層は既存事業と新規事業のカニバリズムなどの仲介役にならなければいけない
○既存スキルに甘えないこと
新しい分野に事業を広げようと考える際に、
最初に考えるのは『なぜこれをやるべきなのか。自分たちにはその分野のスキルがない』点。
こうなると、企業の寿命は有限になる。
世の中は変わっていくため、かつては最先端スキルだったとしても、すぐに顧客には不要なものとなる。 -
知の探索・深化をとう。
水と油。これをサクセストラップ(成功の罠)に陥らずにりょ方を求める矛盾を抱える方法の指南書。
イノベーションのジレンマに対して行動の話ともいえる。
事例も豊富だが、理論化された話は複雑化と矛盾の抱え方なので、シンプルではない。
つまり、基本的に難しいことを地道に対応するかどうか。
個人的には、まず二流になるスピードが大事に思えた。
やすい・はやい・うまいなら、まず安いが必要。
安くてあんまりおいしくないから、安い・うまいのような深化の過程。
また、探索の結果見つけたコスト安といったところの評価を二流とされることが必要そうだ。
イノベーションとはつまり、まず二流なのではと思えた。 -
■実際に企業を経営している人が読むと役立ちそうな本
■一般従業員には、組織論など、少しハードルが高いけど、思想としては参考になる
■イノベーションを生み出し続ける必要性、難しさが勉強になった -
「探索」と「深化」を両立させることを両利きと表現し、破壊的イノベーションの脅威に対抗するためには成熟事業と振興事業の両方での戦い方を見極めることが必要だとして、多くの事例や組織構成の重要性が詳しく書かれている。
28の世界的な企業について両利きの経営がどのように成功したか/失敗したかが書かれていて、情報量も多く、このテーマについて実感を持って読み進めるのに十分な内容となっている。
企業の中で日常的に触れている事業内容を超えて、長期的な大企業の存続という観点を持つきっかけとなるとてもいい本だった。「イノベーションのジレンマ」も読んでおきたい。 -
両利きの経営、ネーミングは良いけど、読んでもよくわからない。退屈で途中で止めた。冒頭の解説はわかりやすかったけどな。
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2022年22冊目。411ページ、累計6538ページ。満足度★★★☆☆ 定評あるビジネス書ということで期待を込めて読み始めたが、著者が言わんとする結論に関する説明が必ずしもわかりやすくなく、正直、少々期待はずれ
入山章栄教授と冨山和彦氏の解説は理解を助けてくれる。
なお、原著は2016年出版 -
探索と深化をどちらも本気で追求する、ことは、矛盾していながらも納得感を醸成可能なもので、絶対矛盾的自己同一、的な概念を組織にどのように培っていくか、より具体的なイメージが持てた。冨山先生の後説も切れ味良く、一粒で二度おいしい読後感でした。