ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか [Kindle]

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  • ◎概要
    ドイツ人は可処分所得が平均年290万円であるのに、なぜ生活が豊かなのかについてまとめた本。

    ◎メモ
    ・ドイツ人は休日にサイクリングやウォーキング、読書のようにお金をかけずに過ごすことが多い。
    →お金のかからない趣味があると、気持ち的にも楽になる。
    →日本人みたいに休日に消費ばかりに費やすのでなく、何かを生み出したりお金をかけずに楽しむ術があると人生が楽になる。
    →消費でなく、生産する趣味の方が楽しい。

    ・ドイツ人は家具の組み立てのように、人の手を借りずに自分でやることが多い。

    ページ
    3.22.64.73.107.108.127.136

  • 一番大きいのはドイツと日本の文化の違い。人と気にしすぎる日本と個人を重視するドイツとの違いが生活のゆとりに影響してくる。
    節約や休日の過ごし方など他人に頼らないドイツ人の暮らしが無駄なお金を捻出しない。見栄なんかよりも、自分の幸せに重きを置いているのがゆとりを生んでいる。仕事よりも生活を重視することで、ゆとりを生んでいる。
    今の手取りでも十分に生活ができることが分かった。あとは仕事にとって重要なことは何なのか、自分にとって幸せとは何なのかを精査していきたい。

  • ドイツ人は
    消費宣伝に踊らされていない。家族が大事で。
    ドイツ人の幸福というのは、
    家族といかに多くの時間をかけることに尽きている。
    日本の「おもてなし」が、
    いかに日本の労働者の労働環境をきつくしているかが理解できる。
    実は日本の「おもてなし」が「お客様は神様」で
    お客サービスの過剰につながり、
    それが日本の労働者の労働環境を悪くしている。
    消費に踊らされないように。
    物欲に踊らされないように。
    もっと冷静に過ごそう。
    物があれば幸福か?

  • 読もうと思った理由
    豊かさとはなにかという題名に引かれたから

    気づき
    ・アパートの管理会社に折り返し電話するよう伝言して
     も電話がかかってこない。管理会社というサービス業
     でありながら客のためにサービスしようとする気がな
     い
    ・たいていの大工仕事は自分で行う
    ・過剰サービス、過剰包装を求めないシンプルライフ
    ・ドイツ人がシステム思考に長けていることが彼らの
     経済システムが比較的少ないインプットでも回ってい
     る理由である
    ・ゆとりある働き方でも日本をしのぐ経済成長している
    ・ドイツ人はいつでも休みをとることができしかも毎年2
     ~3週間の休みをとれることがわかっていれば心のゆと
     りが生まれる。したがって、ドイツ人の間にふだんの
     娯楽にお金をかける人、消費で心の隙間をみたそうと
     している人は比較的に少ない
    ・ドイツ、オーストリアでは安いホテルでも清潔で快適
     である。特にドイツのホテルやレストランのトイレが
     清潔である
    ・瓶の貸し借り代が返ってくる
    ・緑の党のスローガン
     我々は地球を我々の子供たちから預かったにすぎない
    ・ドイツ人はお金では測れない豊かさをこの社会で実現
     しようとしている

    なんとなく、ひと昔前の日本の田舎のイメージに似ているところがあると思いました。民族性、考え方の根本的な違い等がありますが、みんなでまねできることから
    すればかなり日本人も時間的・金銭的に無理のない生活ができるような気がしますが、どうでしょうか。

  • 働き方改革、年金2000万円問題と、働いていないと生きにくくなってしまった日本ですが、ドイツは世界でもっとも労働時間が短いという。
    一日の労働時間は8時間以下、10時間を超える労働は法律違反となり、厳しく罰せられる場合があるそうです。それなのに、経済成長率は高い。過剰なサービスに時間やお金をかけず、かけるべきところにはかける。
    「豊か」とは何かを考えさせられた。

  • タイトルにある290万円は、2017年のドイツに住む市民1人あたりの平均可処分所得となっています。この中には学生や年金生活者も含まれているそうですから現役世代だけで見ると実際はもっと高くなると思います。
    ただそれを鑑みてもドイツは高課税、高福祉の国となっており、高い税金控除が目立ちます。脱原発に対して再生可能エネルギーを促進するための環境税など先進的な税金もあります。
    近年のドイツ連邦議会や緑の党の躍進もあり、多くのドイツ国民は持続可能な環境を維持するために積極的に税金を払うことを受け入れているように感じます。最近ドイツで流行っているヴィーガニズムにも納得がいきます。
    またサービス砂漠という言葉があるくらいドイツはサービス業に力を入れていないそうで。
    サービス業は、労働時間に対する付加価値が他の業種と比較して、かなり低いと言われていますから過剰なサービスが時として問題になる日本も見習うべきところは多いと思います(著者のいうように顧客が不快になるドイツのサービスレベルにする必要はないと思いますが)。
    さらに本書でも指摘がありますが、日本に限らずアジア各国は過剰な消費が激しいきらいがありますが、消費欲を満たすためにさらに労働を行い、そのストレスを解消するために消費をさらに行うという悪循環になっているように思います。
    こうした生活スタイルも日本では若年層を中心に見直されてきていますが、ドイツ人の考え方、働き方も非常に参考になりそうです。
    もちろん人により個別差はあると思いますが、ドイツ人の生活スタイルを知ることは自分の生活を見直すきっかけにもなります。オススメの本です。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン支局勤務中に、ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳会談などを取材。90年からはフリージャーナリストとしてドイツ・ミュンヘン市に在住。過去との対決、統一後のドイツの変化、欧州の政治・経済統合、安全保障問題、エネルギー・環境問題を中心に取材、執筆を続けている。
著書に『ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか』『ドイツ人はなぜ、年「290万円」でも生活が豊かなのか』(ともに小社刊)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか』(SB新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」』(NHK出版新書)など多数。『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』(高文研)で2007年度平和・協同ジャーナリズム奨励賞受賞。

「2023年 『ドイツ人はなぜ、年収アップと環境対策を両立できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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