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感想・レビュー・書評
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色々な試験や資格勉強をしている人にもオススメとのことだったが、やはり大学受験をベースに書かれているので、特に参考になったと感じる部分は少なかった。
高校生の時に読んでいれば、受験に向けてモチベーションが上がったかも。ただ伊沢さんの受験勉強に対する考え方を知れたのは面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会人にも役立つ内容です。勉強法よりも勉強に対する心構えが書いてある感じでした。
「勉強で大事なのは量か?質か?」
というところで
「質と量は対立する概念ではなく、併存する概念だ」
とありました。
『僕は、数式「量×質=x」で求められる値xをいかに大きくできるかが勝負だと思っています。量=勉強量、質=勉強法と捉えてもいいですし、質を「集中力」とみなせば量×質=この章で言う「勉強量」とみなすこともできましょう。いずれにせよ、クオリティを高く保ったままたくさん量をこなせば、それだけの成果xは返ってくるのです。 この「質or量」のように、ものごとを2つに分類しきることを「二項対立」と呼びましょうか。この二項対立を創ってしまうことは、迅速な判断のためには大変有用な方法ですが、一方で大事な要素をけずってしまったり、物事の本質を見失う原因になったりもします。』
良いことが書いてあります。ここは私が1番良いと思う部分です。
東大生は、元々凡人と比較にならないほど頭がいい、という人もいますが、そもそもの勉強量が違うのです。
娘のクラスメイトで東大現役合格した男の子がいます。地方の高校出身です。
その子は、東大入試英語の過去問、50年分くらいをすべてやったそうです。他の教科も推して知るべし、ですかね。 -
移り行く社会の中で、人生を引き受ける、ということは存外に難しい。言い方を変れば、覚悟を持つ、ということですが。何となく高校生になって、何となく大学生になって、そして何となく就活をして社会人になり、(人によっては何となく)結婚して家庭も作り、老いていく。もちろん才能のある方や、引き受ける・コミットした方は強い。相応の結果を残します。そうでなくても何となく生きて何となく上手くいくこともあります。
その中にあって、伊沢氏の本作。徹底的に「受験生」という生き方を引き受ける態度が清々しい。受験生として受験に臨む前に、本当に受験に意味があるのか、大学を目指す意味があるのか、その部分をキチンと深堀りしている。要は「腹落ち」するという地盤固めがあってこそスタートが切れる、というものです。経験の少ない高校生には難しいことかもしれませんが、自分に必要なこととして「腹落ち」して受験を引き受けることはとても大切だと思います。
さらに筆者が開陳する勉強法は実に自己省察的です。端的に言えば「万全・万人共通の勉強法はない」よって「自分にフィットした勉強法を作れ」というもの。言葉尻は素っ気ないのですが、作品では論に沿って主張されており、非常に説得力があります。
考えてみればごく当たり前ですが、人はそれぞれ違います。ではあなたはどんな人間ですか、と問われれば意外と漠とした印象しか自分でも持っていない。受験勉強に当たっては、何が苦手で何が得意で、どういう勉強スタイルが好きで、どういう覚え方がフィットしているのかなど、自分で自分を理解していくことが大切になります。また、性格は変えづらく環境は変えやすい(あくまで比較論ですが)との考えから、自分の性格にフィットした環境の整え方を提案しています。そして、一定期間でスタイル(勉強法)の確認をしていく。同時に模試などを利用して合格までの所要水準がどこまで満たされたかをトラックする。
感心しますが、見えない合格水準に対し一定の前提から自分なりの見解を持ち、それに向けて計画を進捗させる。こうした自己マネジメント・プロセスマネジメントは社会人でも大いに学ぶところ大です。
こう書くと、非常にぼんやりしたことしか書いていないように見えますが、実際には彼自身の個人的体験談がふんだんにちりばめられています。開成高校では学年400人中280番くらい、高3になってもぐずぐずしており受験勉強に切り出せない、ゲーム好きでゲーセンを見るとついつい寄ってしまう等々。それに対し筆者が自己を見つめそして考え、その結果選択した勉強法・類するオルタナティブ等が色々と語られます。このような著者のエピソードの中に、読者は自分の似姿を見出すことができるのではないでしょうか。
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といことで、非常に面白い本でした。本書の内容を別の言葉で言えば「彼を知り己を知れば百戦危うからず」、孫子ですね。本書でも引用されていましたが。
受験生の親として、同じ東大王の鈴木光さんの『夢を叶えるための勉強法』も読みましたが、彼女の本は非常に面白いながら、優秀過ぎて真似は無理かも、と思わせるものがありました。それと比べると本作は、徹底的に「あなたはどういう人間なの」「どうしたいの」と自己を問うものに感じ、私には響きました(私に響いても仕方ないんですが)。これはこれで高校生には難しい問いですが、逆に人生のどのシーンでも常に自身に問える内容であり、アラフィフのおっさんでも面白く読めました。
高校生ならずとも、大学生、社会人、特定の目標に向かってしっかりトラックを刻んで成果を出したい人にはお勧め。 -
著者は頭が良い。ただ内容はあまり響かなかった。良く書かれた本だとは思う。
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社会人になった今でも、ビジネスにおいても心に挿さる教訓あり。本書は、学生時代の辛かった勉強を振り返りたくなる。(私は勉強が苦手にもかかわらず、デス)。伊沢拓司さん、ありがとう❗️
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とても丁寧な書きっぷり、ちょっと前置きが長いかもだけど。
これだけ緻密かつ冷静に自分を客観的に分析するのは、普通できない。何より目標に到達するまでの時間を制御できるかが、受験の肝になるわけだけど、その方法は説明されていない。これは属人的な要素なんだよね。やっぱりさ。 -
・目的を明確にする。なぜ大学に行くか?将来何をしたいか?
・成果=方向性(勉強法)×努力量(習慣化・環境・ルール化)。全ては自己責任。
・勉強法についてはルール・コツ・ポイントを知ることで効率的に進められる。
・受験勉強の一つの意義:大事なことを集中して継続的に行う≒成果を出せるようになる。
・無理のない努力→習慣化→成果
・習慣化のコツ:誘惑を遠ざける。具体的・実現可能なルールにする。
・成果を上げるためには基礎が整っていること。→基礎が整えば模試での点数が安定する。自分がわかっていないことを無くす。
・構造化できることにより理解が深まる。考える際には構造化できるようになる。 -
大全…という本の名前だが、いろんな勉強の方法が載っている、というわけではない。
それでも、勉強の仕方について考えたい人には、おすすめの本だと思う。
本の内容としては受験勉強中心だが、方法は社会人でも活用できるものが多い。特に、資格などを学生よりも短い時間で勉強しなければならない人にも役に立つのではないだろうか。
例えば、「3段階予定術(p145)」。普段の目標の立て方の参考になるのでは。
ただ、模試のスクラップ例は高校生の時に読みたかった!
こう使えばいいのか!