OODA LOOP(ウーダループ)―次世代の最強組織に進化する意思決定スキル [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 最近よく目にするOODAループに関して、発案者であるジョン・R・ボイドの直弟子である、チェット・リチャーズが書かれた本の翻訳本。

    ながながと戦略的な概念であることの説明が書かれており、なかなか読むには気力のいる一冊でした。

    OODAループがPDCAサイクルとは対照的なものであり、使い分けが重要である旨が詳しく記されている。

  • OODAループは意思決定プロセスの概念である。監視Observe、情勢判断Orient、意思決定Decide、行動Actのサイクルを繰り返して意思決定を実現する。アメリカ軍で開発され、シリコンバレーなどで利用されている。マーケットや顧客ニーズの激しい時代はPDCAだけでは適用できず、OODAによる機動力強化が求められる。
    PDCAは計画のCheckやActionを求めており、決して一度立てた計画を金科玉条とするものではない。しかし、官僚的組織はPDCAを計画遵守の正当化に使いがちである。現実と乖離した計画も推し進めることが行われやすい。現実の情勢を踏まえて意思決定することが大切である。

  • P.2020/3/30

  • ビジネスの場でよく聞かれるようになった"OODA LOOP"。本書はその表層のみをすくった軽量なものではなく、背景となる戦略論について深堀りされた重厚な一冊だ。

    OODA LOOPの出自となった軍事戦略における活用についても興味深い史実が展開されるが、多くの想定読者にとって興味があるのはビジネスへの転用、そして自分がどう活用すればよいのかという点だろう。

    自分-敵ではなく、自分-市場-競合という構造の違い。
    暴力を含むあらゆる手段を講じる、相手の手段を封じるといった戦争と相乗効果を生みながら市場自体を拡張していこうというビジネスの違い。
    そういった相違点を踏まえて、たとえば「正-奇」の戦略について語られる。これは明らかに、OODAに内包されるものではない。OODAの外側で、OODAを活用しながら何を行うかという視座での話だ。

    OODAの究極系として、もはやDecisionさえも廃したOOAが提唱される。阿吽の呼吸の世界だ。
    目指すところが阿吽の呼吸であるので当然の帰結かもしれないが、本文中では幾度となく双方向の信頼関係が重要であることが説かれる。
    OODAに立脚する組織のあり方はミッション駆動であり、マイクロマネジメントとは無縁の世界観だ。この点からも、信頼関係が要であることがわかる。

    とかくPDCAと比較されるOODAだが、本書でも比較する記述がないわけではない。
    しかし、単純にPDCAの上位互換という位置づけではなくそれぞれの適所があるという分類がなされており、フラットな視点から本書が綴られていることが伺える。

    このようにつらつらと書き連ねてしまったが、そのノウハウ本のようなタイトルとは裏腹にVUCA時代における組織戦略の必読書といってもいいような骨太な一冊だと感じた。
    荒れ狂う変化の波を乗りこなし、今を生き抜くビジネスパーソンは一度手にとってみてはどうか。

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著者プロフィール

チェット リチャーズ
戦略コンサルタント
航空機企業や専門的サービス企業のコンサルタント。OODAループの発案者である元アメリカ空軍大佐、故ジョン・ボイド(John Boyd)に長年師事し、親しい間柄であった。アメリカ空軍大学(US Air Force University)で講義を行い、ケネソー州立大学で教鞭を執っていた。ミシシッピ大学より博士号(数学)取得。

「2019年 『OODA LOOP(ウーダループ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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