日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか (講談社+α文庫) [Kindle]

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  • ・米軍の飛行機は日本の上空をどんな高さでも飛んでいいという法的権利をもっている。米軍は日本国憲法を超えた存在。左から上位法:日本国憲法、条約、国内法。つまり、日米安保条約は日本の航空法など、一般の国内法よりも上位にある。こでは憲法98条第二項による解釈で、「日本が締結した条約は、これを誠実に順守する」と定められている。結果、条約が結ばれると、必要に応じて国内法が書き換えられたり、特例法が作られることになる。
    ・砂川裁判によって在日米軍については日本の憲法が機能しない状態、つまり治外法権が法的に認められた。
    ・1957年の秘密文書により、新しい基地についての条件を決める権利も米軍の判断にゆだねられている。つまり、選挙で市民が民意を示そうと止めることができない。
    ・日米原子力協定により、アメリカの了承がないと日本の意向だけで原発がやめられないようになっている。

  • 沖縄の米軍基地問題や原発について、政治家の発言を聞いていると、「なんじゃ、そりゃ?」と思われるおかしなものが多々ある。その理由が本書を読むことでスッキリと解決される。しかし、その理由が解決されたからといって、これらの問題は現状のままでよいはずはない。「じゃあ、どうやって解決するの?」。それは、米国によって作成された憲法をもう一度日本の現状に即した内容の平和憲法に、日本人自らが作り変えることなのだという。そして、日本から米軍に出ていってもらうのだ。フィリピンで出来たことが日本で出来ないことはない。ドイツのように、戦後70年をかけなくてもそれが出来るんだ。ただ問題は、米軍の駐留を願ったのは、戦後共産主義体制になって権力を奪われる支配者層、つまり今の権力中枢にいる人達なのだ。そんなことを考えると暗澹んたる気持ちにさせられるというのが、読後の正直な感想である。

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著者プロフィール

(やべ こうじ)1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)、共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J・M・ロバーツ著「図説 世界の歴史」(全10巻)、「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。

「2019年 『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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