モリのアサガオ7 [Kindle]

著者 :
  • 電書バト
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  •  ついに最終巻(番外編もあと1巻残っているが)。
     死刑は本当に必要な制度なのか否か、ずっと揺れ動き続けてきた及川の心だったけれど、本巻でようやく一応の決着がつく。
     
    (もうすっかりその存在すら忘れていた)及川の元カノ麻美記者が発見した連続殺人犯(帝銀事件?)が逮捕され、死刑囚舎房に送り込まれてくる。
     その過去——いろんな事件・人間が連鎖していくが、ここらへんの展開、いくら何でもご都合主義的でかなり現実離れした印象強し(>_<)

     妹・小春の口から語られる、渡瀬の起こした事件の完全な真相。まあ、あらかたは及川による推理の結果なんだけど——ほんと「名探偵」ばりの洞察力があるね、彼。
     その及川を自らの教誨師に選ぶ渡瀬。以後、二人は深い友情を育んでいき、魂の絆は更に深まっていくことに。作者自身書いている通り、もうほとんどBLワールド。

     そして数年後、物語はようよう第1巻冒頭に戻り、渡瀬の死刑執行シーンに。なぜ及川がそこに立ち会わされることになったのか、どんな思いでその最期を見届けたのか、ずっと読んできて初めて分かるようになっている図式...... (T_T)

     死刑は是か非か、あらゆる視点から考え尽くされた秀作。
     悪いやつはみんな死刑にしてしまえと口で言うのはかんたんだけど、それにはまず自らの手で処刑を執り行わなければならない職務の人間が必要になることも、忘れてはならない。食肉の屠殺もそうだけど、ここで屠られるのはどんな極悪人であっても一応は人間なのだし、人が捜査し裁きを下す以上どんな犯罪であっても冤罪の可能性は決してゼロではない......
     若き刑務官・及川とともに暗く奥深い「森」の中、答えのない重い問いに悩み苦しまされる長い長い彷徨、魂の旅のような作品だった。
     まあ、後になるほどこじつけのような因縁が増えていって不自然なところも目立つドラマではあったけれど。

     で、結局最後の最後まで(やたら条件の厳しい)アシスタント募集文が初刊当時のまんまで再掲され続けていたのが、やっぱりどうしても気にかかった......(´ε`;)ウーン…
     例の「事件」についてwikiらなければ「そんなもんなんだなあ」と感心するだけで終わるとこだったんだけど......(´ε`;)ウーン…
     毎回アシスタント(妻を除けばみんな若い女の子ばっかりだ......)たちによるおまけマンガ(正直どれも素人レベル)が載ってるけど、これを餌に好き勝手やってたんじゃないか?、とか邪推したり......(´ε`;)ウーン…
     編集サイドがどんな考えなのか分からないけど、本来ならこの復刊電子版ではこういうおまけ(アシまんがや作者あとがき)を全カットすべきだったんじゃなかろうか、とも思える......(´ε`;)ウーン…
     推薦者として名前を挙げられてる三浦しをんやBL作家さんも、今となっては心中複雑なのではあるまいか?......(´ε`;)ウーン…
     いろいろな意味で後味の悪い作品......(´ε`;)ウーン…
    (以下続刊)
    2021/07/07
    #2135

     

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